恋物語さん

続くつもりは無かったんだけど、何故か続けてしまったのであった。

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「はぁ。」


夕暮れ時、仕事を早めに切り上げた私は少し散歩しながら遠回りをして帰宅の途についていた。特別理由があったわけじゃない。ただ、気が付いたら歩いていた。体が勝手に、なんてそんな事を言うつもりはないけれど。何となく、憂う。海が近いこの街の、思い出の地とでも言うのだろうか。私と、なのはが何度も通ったその公園を目の前にして後悔した。まっすぐ帰れば良かったと。


「懐かしいな……」


海鳴公園。4年くらい前、私となのはがまだ恋人同士だった時に、よく一緒に来た場所だった。2人で散歩した場所。なのはの好きな場所だった。あの日、雨の日に会って以来、なのはには会っていない。会う理由もないし、会ったらまた辛くなりそうで。同じ街に住んで居るからってそうそう偶然会うものではない。なにより彼女の家の近くの道は通らなくなったし、あんまり街を出歩く事をしないから。だけど今日は、いつの間にかここに来てしまった。──無論、なのはがこんな所にこんな時間に居るはずはない。…のだけど。


「こんにちは。」
「……えと、こんにちは。」


どうしてか、子供がいた。ヴィヴィオ…だったかな。なのはの、子供。どうしてこんな時間にこんな所にいるのか。突然挨拶されて思わず戸惑ってしまった。


「ここで何してるの?…え、あれ…もしかしてママも居るの?」


ともすればなのはも一緒に居るのではないかと、冷汗をかいた。会いたくない気持ちとは裏腹に体温が上がった気がしたし、心臓が跳ねた気がして、そんな正直な自分に心底嫌気がしたのだけど。


「あれ?フェイトちゃん?」
「──すず、か…」


予想と不安に反して、そこに居たのは違う人物だった。なのはの友達で、私の知り合い。友達といっても良いのだろうか。会うのはやっぱり、4年ぶりくらいだった。すずかは相変わらずの優しい雰囲気で、どこかほっとした。







「──そうなんだ、なのは、忙しいんだね。」


久々にあって、すずかと話して。すずかに聞いたところなのはは仕事がちょっとバタバタしてるみたいで、止むを得ずすずかとアリサにこの子の迎えを頼んだらしい。ここで待ち合わせということはいずれなのはがここに来るということで、それは私がこの場所を後にしたいと思うには十分 な理由だった。


「ちょっとアリサちゃん呼んでくるから、フェイトちゃんここで待っててくれる?」
「え、いや…私もう帰るよ……?」
「すぐ来るから。」
「えっ、でも…」


なのに生憎と、すずかは私の気持ちを知ってか知らずか、私とヴィヴィオを残して公園を離れてしまった。私が帰ったらこの子が一人になってしまう状況。アリサは一体どこに行ったんだろう。帰るに帰れなくて、結局、ヴィヴィオと二人取り残された形になった。


「………えっと。」


参った、と思う。子供が苦手なわけではない。けれど、なのはの子となれば話は別だ。特別な感情を持つ人の子供。少なからず複雑な気持ちがない交ぜになる。仕方がないから、砂場にしゃがみ込んでヴィヴィオと話しながら、砂で遊んだ。


「ヴィヴィオは、何歳なの?」
「さんさい!」
「……そっか。ママは優しい?」
「うん」


パパはどんな人?…とは、口が裂けても聞けなくて、ただ、少しだけ泣きそうになった。なのはが幸せなら、それで嬉しいと思う。だけどどうしても、悲しい。やっぱりこの街に帰ってこなければ良かった。いっそのこと転勤願いなんて出そうかなとか思ってしまう。


「どこかいたいの…?」
「え?」


そんな考えが顔に出ていたのか、ヴィヴィオが私の顔を見てそう言って頭を撫でて、また少し泣きそうになった。


「ありがとう。…ヴィヴィオは優しいね。ヴィヴィオは、ママのこと好き?」


そう聞くと、とても嬉しそうに。


「うんっ、すき。」


ヴィヴィオは嬉しそうにそう答えた。それから、ごく自然に同じことを私にも聞く。たどたどしい言葉で。


「ふぇいとさんは、なのはママのことすき?」


眩しいくらいの笑顔で、そう聞いた。私の名前を覚えていたことにも驚いたけど、それよりも。その質問に、少し苦笑した。


「……うん、…とても好きだよ。」


苦笑を微笑に変えて、そう言いながらゆっくり立ち上がる。と、少し遠くにすずかとアリサの姿が見えた。なのはの姿はまだない。


「じゃあ、ヴィヴィオ。私そろそろ行かなくちゃ。」


ママによろしくね、なんて言って頬をひと撫でして。なんとなく、戻ってきたすずかとアリサに控えめに手を振った。


「私、もう行くね。」
「何よ、せっかく会ったのに。もう帰るの?」
「うん…久しぶり…アリサ。」


ちょっと苦笑して。


「せっかく会ったのにごめん。……また今度ゆっくり」


不服そうなアリサと、ちょっとだけ困ったようなすずかにそそくさと別れを告げた。ちょっとだけ、逃げるように。なのはに会いたくない気持ちが募る。その心とは裏腹に勝手になのはの姿を目が探す。会いたくないと言いながら、心では彼女を想っていた。どうしようもなく。
















「あ、えと…」
「こんにちは、なのはさん…でしたっけ?」
「え、あ、はい。…こんにちは。」


偶然、仕事の帰りに見知った子と出会った。名前は知らないけど、私はこの子を知っている。他でもない彼女、フェイトちゃんと一緒に歩いていた子だったからよく覚えている。

話すのは初めてで、独特の訛りのある言葉遣い。その子はどうやら私のことを知っているみたい。フェイトちゃんに聞いたのかな。なんて時計を見ながら、そんなことを思った。


「あ、自己紹介がまだやったか。私、八神はやて言います。フェイトちゃんの同僚の。」
「えと、高町なのはです。…前に、会ったよね。」


レンタル店で。と言うと、はやてと名乗ったその子は「その節は挨拶出来なくてすいません」と笑った。フェイトちゃんの同僚というだけで、特別な説明はない。偶然会ったこの子がどうして話しかけてきたのかも疑問だったのだけど。少し話したら、どうやら帰る方角が一緒みたいで。気さくなその子と話をしながらヴィヴィオを迎えに行くことになった。


「はやてで良いですよ。」
「じゃあはやてちゃんで。…はやてちゃんはフェイトちゃんとお友達なの?」
「元々は大学で知り合ったんやけど、なんや色々あって今では同僚で──…それは「ただの」友達かってことやろか?」
「ふぇ?」
「それとも、他意があるんかなって。」


悪戯っぽく笑って、決して敵意ある聞き方ではなく。どちらかと言うと、優しい聞き方だった。一瞬言葉に詰まって、少し笑う。


「…別に深い意味はないよ。」
「そっか…。フェイトちゃんが付き合ってた…っていうのは、聞いてたんやけど。……だから、私とフェイトちゃんの事気になってたりするのかなって、勝手に思ったんやけど。」


堪忍、と素直に謝罪して笑う。フェイトちゃんの側にいるお友達が、とても優しい人だと分かって少しだけ安堵した。何となく、聞上手というか話し上手なはやてちゃんは、話していて心地良い。


「私にはフェイトちゃんの事に関して口出す権利はないよ。」


穏やかにそう言うと、はやてちゃんは「そっか」とだけ言った。夕暮れ時で、橙色の空。ヴィヴィオが待ちくたびれてないかなと心配しながら、はやてちゃんと話しながら歩く道は、昔彼女と歩いた道だった。


「私が口出す事でもないけど、なのはさんが旦那さんと幸せに暮らしてるんなら、フェイトちゃんも幸せやと思う。」
「ふぇ?」
「うん?」


穏やかに、切なく思いながら歩く途中で、足が止まった。


「旦那さんって…誰の?」
「え?せやから…なのはさんの」


私が突然足を止めたことに慌てて、はやてちゃんが振り向きざまにそう言う。数瞬考えて、はやてちゃんが勘違いしていることをようやく理解した。


「あ、あのね…私、結婚はしてないの。」
「……え」
「色々事情があって……放っておけなくて、ヴィヴィオを養子にしたの。一応親戚筋にはなるんだけど──…」
「………。」


あんまり深くまでは説明しなかった。養子とは言っても、ヴィヴィオは実の子のように可愛いと思ってるし、他人に話すような事ではないんだけど。そこまで言うと、はやてちゃんは顎に手を当てたまま。


「そっか。…なんや、変なこと聞いてごめんなさい。」
「うぅん、良いんだけど…」
「…あ、ここが海鳴公園か。」
「あれ、来たことないの?」
「あんまりこっちの方は探索には来てなくて…あれ、フェイトちゃん?」
「えっ」


話しているうちに、ヴィヴィオが待っている公園に着いた。昔よくフェイトちゃんと来たその公園で、幼馴染の友達にヴィヴィオを預かってもらっていたのだけど。はやてちゃんが指さした先、何故かヴィヴィオに捕まったフェイトちゃんという図が視界に入った。アリサちゃんとすずかちゃんに見守られて、困った顔のフェイトちゃんが。


「な、なんではやてがここに?」
「いや、偶然なのはさんに会って一緒に歩いてきたんやけど。…フェイトちゃん、用事あるとか言うてなかった?」


事情が飲み込めなくてとりあえずフェイトちゃんを掴んで何故か泣きそうな顔をしているヴィヴィオの側に駆け寄った。


「ど、どうしたの…?」
「ヴィヴィオがフェイトと離れたく無いんですって。」
「ふえぇ…?」


にやにやした顔で言ったのはアリサちゃんで。


「フェイトちゃんが帰るって言ったら急に泣き出しちゃったの。もう少し遊びたいって。」
「だ…駄目だよ?ヴィヴィオ。また今度、ね?フェイトちゃん困ってるよ?」


泣きそうな顔のヴィヴィオの事を思ったように叱れなくて、ちょっと困ってしまった。偶然彼女に会ってしまって、どう接して良いか分からなくて、何だかちょっとだけ泣きそうになった。


「えっと、ヴィヴィオ。ママも来たし、また今度遊ぼう?」


人見知りのヴィヴィオがこんなに懐くなんてとても珍しいと思う。でも、相手がフェイトちゃんだと思うと何となく分かる気もする。とても優しくヴィヴィオに話しかけるフェイトちゃんの声に、何とも言えない気持ちになった。狂おしいような、そんな気持ち。たまらなく切ない気持ち。


「折角やし、みんなでご飯でも食べたらええんやない?」


なのに、ぎゅっと胸元で手を握った私の後ろで。さらりとそんな事を言う声が聞こえた。一瞬ぽかんとして、顔を向ける。


「何言ってるのはやて。」


最初に口を開いたのはフェイトちゃんで、少し呆れたような声だった。


「あら良いアイディアね!」
「うん、良いんじゃないかな。」


何故か、そこではやてちゃんの提案を後押ししたのはアリサちゃんとすずかちゃん。確か2人ははやてちゃんと初対面のはずなんだけど、何故かいきなりの意気投合。流石にそれはどうかと思うんだけど……


「だ、だから私…今日は用事があるから早上がりしたわけで……」
「大方先輩のおねーさま方に誘われて逃げる口実に嘘ついたんやろ?ちょうどええやん。な?」
「……なっ…でも…」


無理やりに弱いのは相変わらず彼女らしい。流されるまま、私が口を挟む間もなく、何故か成り行きでみんなで夕飯を一緒することになってしまった。ヴィヴィオが喜んでるのは良いんだけど…。





彼女を交えて食事するのはもう何年ぶりで。嬉しさよりも不安の方がずっと多かった。さっきはやてちゃんが言った言葉も気になる。けど。彼女と一緒に時を過ごすのが、どうしてかとても不安だった。

抑えていたものが溢れそうで、怖かった。









続くかわからない!


前に新歓とか言うてたけどこのままご飯食べて飲まされて酔ったフェイトちゃんをなのはさん家に泊めて間違いが起きれば良いなって思いました。


(ノ)°ω°(ヾ)続きはWebで★


初めてのなのフェイのセッ…の話書きたい…(寝言)




テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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