恋物語よん

要望多かったので(ノ)°ω°(ヾ)


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「どうしてあんなこと言ったのさ。」


私の気持ちを知っている癖に。なのはに対するこの想いをわかってる癖に。そんな気持ちを込めて、恨めしくそう言った私の顔を見て、はやてが少しだけ苦笑した。


「別にフェイトちゃんに嫌がらせしようとか、そういうこと思ったわけとちゃうよ?…ただ、もう少しフェイトちゃんは自分の我儘突き通してもええんやないかなって。」
「……それは、人妻相手に想いを遂げろってこと?」


ほんの少し軽蔑の気持ちが混じったせいか、低い声が出た。公園でヴィヴィオに泣きつかれて、突然はやてが変な提案をしたせいで、今夜は皆で食事をするなんて。そんな話にまとまってしまった。
用事があるからと嘘をついて去ることも出来なくてせめて着替えたいからと今は一旦家に帰るところ。そんな私の一言に、はやてが少しだけ困ったように笑う。


「…堪忍。ただ、私はフェイトちゃんに後悔して欲しく無いだけ。」


振られた理由を今更彼女に聞くことくらい、しても良いんやない?なんて。そんな風に続けられた言葉に、軽蔑を交えた怒りの気持ちがスッと消えた。


「……ごめん。」


はやてが私のことを考えてくれてる事なんて重々分かっているはずなのに、どうしても気持ちがコントロール出来なくて肩を落とした。なのはとの関係は、もうずっと前に終えたことなのに、今になって歯止めが効かなくなってきてざわつく。あの頃よりも大人になった筈なのに、その分余計に。どうしてなのか、分からないけど。


「なぁ、フェイトちゃん。」
「ん?」
「そんな顔するなら、もうちょっと我儘言うても良いんやない?」


例えその我儘が通らなくても。一度振られてる身なんだからだめもとでと、少しだけ笑うはやては「そしたらそれで踏ん切りがつくやろ」なんて言った。
…そうなんだろうか。そうすればスッキリ諦めがついて、身を引いて、やがて誰かなのは以外の人に恋をする事が出来るんだろうか。


「……そう、なのかな。」


よく分からないや、と小さく苦笑した私に。なんとも言えない顔ではやてが笑う。その後には今までの重たい雰囲気を掻き消すような明るい声で「ご飯楽しみやなー」なんて言った。どうすればこの気持ちに折り合いがつけられるのか。なのははもう私の事なんてきっと何とも思ってなくて、今更私が何か言ったってきっと迷惑にしかならないだろう。だから。


「やっぱり、そんな事は出来ないよ。」


誰に言うでもなく、小さく呟いた言葉ははやてには聞こえなかったらしく、私はぼんやりと暗くなった空を見上げたのだった。今日彼女に会ったら、今夜の食事会を終えたら、もう私は彼女には会わない。たった今、そう決めた。この街から出ても良い。今更ながらにそんな決心を胸に、私は一旦家へと帰宅したのだった。


それから少しして、家まで迎えに来たアリサの車に乗ったら、実は食事会の場所はなのはの家なのだと知らされて。本日何度目かの胃痛を感じて、それから溜息を吐いた。彼女の今の生活の一端ですら知りたくなんてないのに。神様はひどく意地悪をするものだと、落胆しながら。



















「お邪魔しまーす。」


時間通りすずかちゃんがはやてちゃんを連れてきた。今日突然私の家で食事会なんて、いきなり決まったそれにヴィヴィオはすごく喜んでいたけど、私は内心穏やかじゃない。てっきりどこかお店にするのかと思ってたのに。


「ごめんね、散らかってるんだけど……」
「いえいえ、急にお邪魔してすいません。」
「アリサちゃんとフェイトちゃんはまだ来てないのかな?」


はやてちゃんとすずかちゃんがやって来て、とりあえずそんなに広くない部屋に通してお茶をいれた。すずかちゃんの言葉に「まだだよ」と返して、ほんの少し跳ねた胸を押さえつける。


「なぁ、なのはさん。」
「うん?なぁに?」


それから程なくして、少し言い淀んではやてちゃんが口を開いた。すずかちゃんがヴィヴィオを呼びに行った隙をついて話し出した所からすると、聞かれたくない話なのかな、なんて推測して少し身構える。案の定、それはなんていうか、ちょっと答えづらい話だった。


「もうフェイトちゃんの事は、なんとも思ってないん?」
「ふ、ぇ…?」
「こんなん私が首を突っ込むことやないってわかってるんやけど…。」
「えーと、もしかしてはやてちゃん…フェイトちゃんの事好きなの?」
「いや、それはないけど。」
「あ、そうなんだ…。」


はやてちゃんの言葉に、何て言って返したら良いか分からなくて。どういう意図があって聞いてるのか、真意を測りかねて。


「あのね、私、フェイトちゃんとは──」


ずっと前に、もう終わってるの。そう言おうとして、声にならなかった。言葉が出なくて、今更気持ちが揺らぐ。今更になって。


「……なのはさん?」


はやてちゃんと、そうしている間に今度は部屋のインターホンが鳴った。鳴って、思わず口を噤む。抑えているものが、出そうになって何とか蓋をした。


「アリサちゃん達かな?…残念、この話はこれでおしまい。」
「……そうやね。変なこと聞いて堪忍。」
「いいよ。それより、ご飯の準備するね。」
「私も手伝うわ。」


そう言ってはやてちゃんが立ち上がる。玄関でヴィヴィオがお出迎えをしてくれたらしく、アリサちゃんとフェイトちゃんが「お邪魔します」なんて言いながら、部屋に招かれてきた。


「お邪魔します。……これ、アリサが。」
「あ、ありがとう。フェイトちゃん。」


アリサちゃんに持たされたらしいお酒を持ってきたフェイトちゃんの格好を見て、胸がざわついた。街で見かけていた彼女はどちらかといえばいつも仕事着で、スーツだったのに、今日の彼女はラフな格好で。ジーンズに黒いパーカー。その姿が、何だかいつもより子供っぽくて、だから昔の彼女を彷彿とさせた。そんな中。


「フェイトとお酒飲むのなんて初めてよね。」


だから高いの奮発してきちゃった、なんていうアリサちゃんに苦笑を一つ。そういえば私たちが知っている彼女は高校生だった。だからお酒を飲むところなんて見たことがないし、アリサちゃんはどうやらフェイトちゃんに飲ませる気満々みたいで。


「わ、私あんまり得意じゃないよ…?」
「フェイトちゃんは下戸やから。」


クスクス笑いながらはやてちゃんが付け加えた。そこに良く分かってないヴィヴィオが「ヴィヴィオものむー」なんて交じってはしゃいだりして。そんな感じで、お食事会というか一種の飲み会のようなものが始まったのだった。












「……そういえばフェイトの大学時代ってどんな感じだったの?」
「藪から棒に。」


どうしたの。なんて。聞かれた質問に答えたのはほんの少し頬を赤くしたフェイトちゃんだった。お酒を飲み始めて少しして、アリサちゃんの興味津々な質問に、私もすずかちゃんも顔を向ける。フェイトちゃんが遠くの大学に行くと聞いたのは、結構唐突で、それは私のせいでもあるんだろうけど、その後のことがやっぱり気になるもので。ちなみにヴィヴィオはソファーでうとうとしてすずかちゃんに頭を撫でられていた。


「何よ生意気ねー。先輩の質問にはちゃんと答えなさいよ」
「痛い痛い…酔ってるでしょ!アリサ!」


アリサちゃんは結構お酒を飲んでて、見た感じ酔ってるのがよく分かる。でもそれはフェイトちゃんも一緒で。色白の肌、頬が少し赤かった。ちなみにすずかちゃんとはやてちゃんはかなりお酒に強いみたいで、全然いつもと変わらない様子。私はちょっとお酒が苦手なので舐めるくらいしか飲んでない。


「フェイトちゃんの大学時代っていうたら」
「はやて?」


と、ここではやてちゃんが話し始めた。アリサちゃんの質問に対して何故かにやにやしながら。


「女の子とっかえひっかえで。」
「ちょっと!!」


はやてちゃんが話し始めたのはそんな話で、その言葉に慌てた様子のフェイトちゃん。はやてちゃん曰く、大学時代のフェイトちゃんはどうやら色んな女の子とお付き合いしてたみたいで。今更私が何か言う立場でもないし、権利もないのに胸がざわついた。手を離したのは私の方なのに。想像しただけで、嫌な気持ちが胸を支配する。


「へぇ、随分モテたわけね?」
「いや…違くて…えと、」


ちびちびとお酒を飲みながら言い訳するフェイトちゃんの姿は子供みたいで可愛かった。なのに、私は心の底から笑えない。じわりと滲む暗い気持ちに、目を閉じる。今まで彼女がどんな人と付き合ったとか、本当に好きだったのかとか、聞きたくて、聞きたくなくて。色んな気持ちが綯い交ぜになって、苦しかった。








「も、もうその辺にしておいたほうが良いんじゃない?」


ぼんやりしていたから、タイミングを逃してしまったんだと思う。お酒を止めるタイミングを。気が付いたらフェイトちゃんもアリサちゃんも、何ていうか見る影もないくらい酔い潰れていた。特にフェイトちゃんはぐったりテーブルに突っ伏してる感じだし。もっと早く止めるつもりだったのに、止めるのがかなり遅かったと後悔して頬をひとかきした。


「見事に潰れてるなぁ」
「はやてちゃんは大丈夫なの?」


見るからにフェイトちゃんよりも飲んでたと思うんだけど。そう言うと、はやてちゃんはにっこり笑って「私は強いから」なんて言うわけで。すずかちゃんも、全然余裕そうだった。


「ね、なのはちゃん。」
「ふぇ?」
「今日はヴィヴィオ預かっても良い?」
「え?」


ヴィヴィオとさっき約束したの、なんて言って、すずかちゃんが微笑む。どうやら泊まりに行きたいとかヴィヴィオが駄々をこねたみたいで。


「でも悪いし……」
「良いの、大丈夫。その代わり…」


そう言って完全に寝入っているフェイトちゃんを指差して。


「フェイトちゃんのこと、お願いしても良い?」
「え。」
「このまま運ぶのは大変そうだし…」
「え、え、でも。」
「私からもお願いするわ…フェイトちゃん酔っ払って眠るとなかなか起きないから。」
「え、でも!」


すずかちゃんとはやてちゃんと、どうこう言ってる間に、誰も彼もが一斉に片付けと帰り支度を済ませてヴィヴィオを連れて、代わりにフェイトちゃんを残して帰って行ってしまった。私の話も聞かずに。これって明らかなお膳立てだと思う。はやてちゃんにその意思があったかどうかは分からないけど、少なくともすずかちゃんとアリサちゃんにはその考えがあったと思う。


「困ったなぁ……」


今更そんなことをされても、困るのに。私の気持ちを汲んでくれたとしても、どんなにお膳立てされてもどうにもならないことがある。そもそももう終わってることだから。

テーブルに突っ伏して眠るフェイトちゃんを横目に、小さくため息を吐いた。ともあれ、フェイトちゃんをこのままにしておくことは出来ないし、早くベッドに運んで寝させて、私は今日はソファーで寝ようとそう決めて。


「フェイトちゃん、お水飲む?」


返事がないフェイトちゃんの腕を引っ張りあげて、肩に担ぐようにして。


「ん、しょっ……」


引きずるような形で少し無理やりベッドへと運んだ。どうせならみんなでせめてベッドに運ぶくらいしていってくれたらよかったのに、なんて思いながら。かなり乱暴に運んだせいか、フェイトちゃんの服が皺になりそう。


「……っ」


そんなことを思いながら、不意にフェイトちゃんの寝顔に目がいって、胸がぎゅったなった。寝顔はやっぱりあどけなくて、昔と変わらない。可愛いと思った。寝顔を見つめたまま一瞬釘付けになって、慌てて頭を振って、あんまり彼女のことは考えないようにする。今日は私も少し飲みすぎたのかな、なんて息を吐いた。


「…おやすみ。フェイトちゃん。」


そう言って、最後に。せめて前髪だけなら触れても良いかと、触れようと手を伸ばして。その瞬間、突然手を掴まれたと思ったら視界が揺れた。




「き、ゃっ」


本当に一瞬だったと思う。気が付いたら引っ張られて、身体が一回転した、というよりは。


「ふぇ、ふぇいと…ちゃん?」


起きたの?なんてびっくりしたせいで間の抜けた声が出た。視界の先、紅い瞳はほんの少し焦点が合ってなくて、私を見ているのかどうかすら怪しい。けど、彼女は私をベッドに引きずり込んで、ベッドに抑えつけるような格好。寝てたんじゃなかったの?と言おうと思ったのに声が出なかった。


お酒のせいか、熱っぽい焦点の定まらない紅い瞳が私を見下ろしていて、彼女の髪が重力に従ってひと房、落ちて私の頬に触れた。

時が止まったような錯覚を覚えて、思考が止まって身動きできなくて。私は、私を見下ろすその瞳から、目が離せなかった。

















みたいな。


ここまできてアレなんですが、もう続かない( ◔ д ◔ )!





テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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