恋物語ご(完結)

ようやく書きました。久々に書いたのでした。働きたくない。←
更新間開けて、遅くなってしまい申し訳ないです。
そろそろ長編に戻らなきゃと思っています。まる。

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「フェイトちゃん、お水飲む?」

そう声を掛けられて、ほんの少し意識が覚醒した。定まらない視点、思考もぼんやりするし、体は熱くて熱っぽい。シャワー浴びたいな、なんてぼんやり考えながら引っ張られる方向に目を向けた。すると近くになのはが居て、担がれる感覚。ようやく自分が酔っているのだと自覚した頃にはベッドに少し乱暴に放り投げられていて。でもベッドが心地よくて目を閉じる。息を吸うと、お酒の匂いに混じってなのはの匂いがした。ともすると、これはなのはのベッドなんだろうか。うっすら目を開けると小さく息を吐いた彼女の姿が見えて。


「…おやすみ。フェイトちゃん。」


その声に、昔を思い出した。昔、なのははそう言 っていつも必ず私の髪を撫でた。それは恋人同士だった頃のこと。昔と変わらず私の髪に触れようと手を伸ばしてきたなのはの、手を掴む。無意識に近いと思う。或いは、きっとお酒の所為だろう。気がつくと小さく悲鳴を上げたなのはをベッドへ引きずり込んでいた。頭の中で一体何してるのかと自分を叱咤しながら、だけどそれ以上にまともな思考ができなくて、ただぼんやりと眼下のなのはを視点の定まらない目で見降ろしていた。

ここで自分はどうするべきなのか。分かってるのに、体が動かない。「ごめん冗談」と言ってすぐ退けばいいのに、どうしても体がベッドに張り付いたみたいに動かなくて身体が熱くて頭がガンガンした。私を見上げるなのはの瞳から目が離せなくて、理性が脳裏でチリチリと警告する。


『もう少しフェイトちゃんは自分の我儘突き通しても──…』


それから、はやての言葉が脳内で揺れて、じわりと汗がにじんだ。はやてが言ったことはこういう意味じゃないはずだ。わかってる。だから、体を退ければそれでいい。なのに。

好きなら奪えと、私の中に黒い感情が揺らぐ。きっとそんなことをしたらそれこそ後悔するはずなのに。少しして、最終的に、やっぱり出来ないと、体の力が抜けた。なのはの上に追いかぶさるように、なのはの耳元、布団に顔を埋める。どくどくと心臓が鼓動している音がとても近くに聞こえて、お酒の所為で思考が定まらなくて体が気怠い。いっそなのはが私の事を突き飛ばして逃げてくれないかと。思っているうちに、なのはがすぐ耳元で言った。


「も、もしかして、誰 かと勘違いしてるの?」


からかうようなそんな声。次いで、「そういう相手は間違えちゃ駄目だよ?」なんて諭すような冗談交じりの声がして、そこでカッとなって、どうでも良くなってしまった。

「誰か」って誰?と。そんな人、居るわけがないのに。今でもこうしてなのはを忘れられなくて、苦しいというのに。なのははこんな状況でもなんとも思わないのかと。それなら、もういいや。なんて。


「ふぇ、いとちゃん…?」


いつもより重く感じる自分の体をゆっくりと持ち上げて。私が動いた事で身体を退けるのかと少し安心したようななのはの唇を、奪う。多分優しさなんてそんなに無い、強引な口づけ。奪うような。お酒のせいともいえるし、自棄になってたともいえるだろうか。殆ど言い訳なんだけど。


「ん、…ッふ…」


逃げられないように手を取って、身動きを封じて。何か言おうとほんの少し僅かに開いた唇の隙間に、侵入した。


「待っ…、ぅ…」


なにも言わせるつもりはないし、聞くつもりもなかった。何よりなのはの唇に触れた瞬間から、理性なんてとうに溶けきっていたし、止まれない。今まで抑えつけてきた分止まれなくて、もう何もかもどうでも良くて。なのはが人妻でも、誰のものでも。泣きそうになりながら、なのに体の感触全てがなのはを覚えていて、何度もなのはの唇を奪う。呼吸さえ奪うように。


「ふぁ、…待って、フェイトちゃ…駄目、ぁ」


「駄目」という言葉も聞きたくなくて。なのはのシャツのボタンを少し乱暴に外す。駄目だというのはとうにわかっているから余計に何も言わせなかった。


「駄目なら、逃げて良いよ。」


ただそう言ってシャツの下、露わになった素肌に触れた。昔と何ひとつ変わらない綺麗な肌。そのまま下着に包まれた形の良い胸に唇を寄せて痕を残す。


「やッ、駄目…痕、つけないで…!」


まぁ当然だろう。夫が居て、こんなこと。なのはが無理に抵抗しないのは私が相手だから?可哀想だと思うから?こんな事をしたい筈じゃないのに、こんな事しか出来ない自分に苛立って、なのはを傷付ける。そんな自分がもっと嫌になった。あぁ、やっぱり海鳴に、帰ってこなければよかった。


「…ね、ふぇいと…ちゃ……、ぁッ」


いずれにせよ、もう止まれないし今更止まったところでどうにも出来ない。なのはの肌に舌を這わせて、吸い付いて。どうしようもないこの気持ちを謝罪するように、そこに優しくキスをした。


























「んっ、…ふぁ、待っ、て…やだ…」


久し振りのその感触、走る快感。触れているのが彼女だから、なんだろう。嬉しいのに、喜んではいけない悲しさ。熱、甘い痺れ、羞恥心。全部綯交ぜになって、だけど視界が滲む。抵抗なんてそんなもの、出来なかった。

まだ、彼女が好きなのだと身をもって実感した。悲しさをもって。誰と間違えてこんな事をしているのか、知りたくもないし、分かりたくもない。なのに身体は正直で、彼女にもっと触れて欲しいとはしたなく濡れる。

同時に、昔と違った乱暴な触れ方に、嫉妬が滲む。私の時はこんな触れ方はしなかった。知らない触れ方。それが優しさじゃなくても、乱暴さでも、嫉妬してしまう。


「は、…ぁ、ッんん、……」


抵抗しなきゃいけないのに、それよりも身体は正直で彼女を望む。這うような彼女の舌が熱くて、首筋を撫でられて全身が粟立った。下着をずらされて、曝された胸に口付けられれば体が震えて、シーツに爪を立てる。



「ふ、ぁッ…」


胸の敏感な場所を甘噛みされて、声が漏れる。そんなはしたない自分が恥ずかしくて、抵抗するふりしか出来なくて、力無くフェイトちゃんの腕に縋る。


「……、き…だよ。」


それから微かに、苦しそうに紡がれたフェイトちゃんの言葉に、心臓が止まりそうになった。現実に戻るって、いうのかも知れない。彼女が、誰と勘違いして私を抱こうとしてるのか、強くなった。今確かに「好き」と紡いだフェイトちゃんは私の顔を見ていなくて、でも泣きそうな顔をしていた。


「フェイト、ちゃん……」


勘違いでも、何でもいい。なんて下卑た考え。きっと後から傷付くのは、私も彼女も同じだ。もしかしたら、もう二度とフェイトちゃんは私の前に姿を現さなくなってしまうかもしれない。そんなのは嫌。忘れてた感情が、再会したことで再熱した。とてもとても後悔した。あの時、そんな選択をした事を。フェイトちゃんの為と思い込んで、フェイトちゃんじゃない未来を選んだ事を。


「ん、ッく…待っ……」


思考してる間に!も伸びてきたフェイトちゃんの手が、ショーツ越しに、秘部に触れた。触れて瞬間、びくりと体が震えて咄嗟にフェイトちゃんの肩に爪を立ててしまって、でもそんな事構っていられなくて、フェイトちゃんも何も言わなかった。優しくなぞるように指が触れて、時々いやらしい音を立てる。その場所に触れる事を許したのは彼女だけで、久しぶりのその快感に身悶えて震えた。


「ふぇ、いと…ちゃッあぁっ、ぁ!」


どうしようも無い。どうしようも無く、彼女が好き。熱に浮かされて、快感に翻弄されて頬を涙が伝う。途端、快感の波が消えた。


「ぇ…?」


乱れた着姿で、荒く息をしながら。急に手を止めたフェイトちゃんに目を向ける。何故急に止まったのか。


「ごめん、なさい。」
「え?」


フェイトちゃんは、泣きそうな顔で私を見ていた。急に冷静になったのか、ごめんと何度も謝罪の言葉を紡ぐ。


「こんな事…するつもりじゃ……っ」
「フェイトちゃん、えと、目が…覚めたの?」


恋人と勘違いした。そう言われるのが怖くて、でももうどうにも出来なくてフェイトちゃんの言葉を待った。けど、フェイトちゃんは小さく首を横に振る。


「違う。」


ぎゅ、とシーツを掴んだまま。


「とっくに覚めてるよ。誰かと勘違いしたわけじゃ無い。」
「え、じゃあ…?」


それってつまり。どういうことか問い掛けるより先に、フェイトちゃんが口を開いた。


「なのはが結婚してるって知ってて、こういう事をしたんだ。」
「ふ、ぇ?」
「……なのはの事を…まだ、好きだったから……」


だから。


「抑えられなかった。……本当に、ごめん。」


そう言って、フェイトちゃんは俯いた。ぽつりぽつりと紡ぐその言葉が信じられなくて、フェイトちゃんを見つめる。それはつまり、そういうこと?と。


「え、と」
「会わなかったら、きっと忘れられたと思うのに。」


会ったらもう、どうしようもなかった。そう言ったフェイトちゃんは少しだけ自嘲したように苦情を浮かべた。そんなの、私も一緒。知らなかった。あれから何年も経ってるのに、まだ私の事をそんな風に想ってくれてるなんて。


「あのね、フェイトちゃん。」


泣きそうに俯くフェイトちゃんに、呼び掛けて。頬に触れて、今度は私から唇を奪う。塞ぐような口付けに、フェイトちゃんの体が強張った。


「ん、ぅ」
「……は。」


突然キスされたことに驚いたフェイトちゃんは、「なんで?」と言いたそうな瞳をこちらに向けいた。


「なん…」
「あのね、フェイトちゃん。……私、結婚はしてないの。」
「う…、…うん?」
「ヴィヴィオの事でそう思ったんだと思うけど。」


はやてちゃんもそうだったし。


「ヴィヴィオはね?養子なの。…親戚に当たるんだけど。」
「……そ、なの?」
「そ。…色々あって、私が引き取ったの。勿論自分の子供みたいに思ってるけどね?」


こうして見ると、泣きそうな顔で少しきょとんとしてこちらを見ているフェイトちゃんはどこか懐かしい。混乱しているのか、子供みたいに話の続きを待っていた。


「だから、結婚はしてないの。」
「ご、ごめん。」
「私も説明しなかったし。…それに。」


ベッドに座り直して続ける私を、フェイトちゃんは何も言わずに視線で追う。泣きべそかいた子供を通り越して、その様子がなんだか犬か猫みたいだった。


「…それに。私はフェイトちゃんとお別れしてから誰とも付き合たりしてない。」
「…な、なんで?」


私の視線にちょっとたじろいで。フェイトちゃんは話の続きを待つ。


「ずっと後悔してたんだと思う。」
「……。」
「フェイトちゃんの為だと思い込んで、フェイトちゃんを振ったこと。」


そう言って、そっとフェイトちゃんの頬に触れる。フェイトちゃんは硬直したままだった。


「それってどういう事…?」
「分からない?」


こういうところは相変わらずなんだから。と少し苦笑した。


「私も、ずっとフェイトちゃんの事、忘れられなかった。勝手かも知れないけど、ずっと想ってた。正直言えばさっきだってフェイトちゃんの勘違いでも良いから抱かれたかったくらい。」
「……ッ!え、と」


私の露骨な言い方に、フェイトちゃんの頬が染まる。そういうところも相変わらずだった。可愛いと思ってしまう。


「その…」
「だからフェイトちゃんは謝ったりしなくていいの。」
「でも、ごめん。」
「……もう。」


昔とひとつも変わらないフェイトちゃん。やっぱり変わらず彼女が好きだと思った。

















「私も、ずっとフェイトちゃんの事、忘れられなかった。勝手かも知れないけど、ずっと想ってた。正直言えばさっきだってフェイトちゃんの勘違いでも良いから抱かれたかったくらい。」


そう言われて、随分露骨な言い方をされて心拍数が上がった。さっきまでの行為を思い出して恥ずかしくて、何よりこの半端な格好がなおさら。でもやっぱり、どんな理由があろうと私に非がある。何度目かの謝罪の後で、どうしようもない気持ちが沸いた。

なのはがまだ私の事を。私と別れたことに何か理由があってそれが私のためだと言うのなら。まだ、私の事を想っていてくれているのなら。

もう一度、恋人に──…。


そう言おうとして口を閉じる。私の事を、なのはが私と同じように思ってくれているのならもう一度、戻れるんじゃないかと。そう思ったんだけど、今度はそれが本当に彼女のためなのかが分からなかった。彼女には子供がいて、私が居ることでもしも邪魔になったらと。そう思ったら何も言葉が出なくて、けれども。


「ふぁ、痛っ」


そんな私の心を見透かしてか、なのはに鼻を抓まれた。小さく悲鳴めいた声を上げた私に、少しだけ笑って。


「もしもさ、フェイトちゃんが。」
「え?」
「嫌じゃなかったらなんだけどね?」


とん、と私に体を預けて、少しだけ小さい声で。


「こんな事言うのは勝手すぎて、憚られるんだけど。」


なのはにしては歯切れの悪いその言葉に、私は頷いて続きを待つ。


「一緒にいてほしいとか、思うんだけど。」
「え、でも…私が居たら邪魔じゃないかな。ヴィヴィオの事も──…」


ヴィヴィオの事もあるし、父親になる人がいつか現れるかもしれない。その時に私が居たら邪魔になる。なんて、臆病な考えは、もう一度触れたなのはの口付けに霧散した。


「もう、離したくないの。…私が。」


そう言って触れた手に、温度が上がる。どうすればいいかなんて、そんなのは一つしかなくて。


「なのはが、良ければ…。」


焦がれ続けた気持ちを告げる。諦めきれなかったその気持ちを。告げるとなのはは少しだけ泣きそうな顔をして、ほんの少しだけ笑った。ここ最近見ているヴィヴィオの母親という顔じゃなくて,昔に近い、けれども大人びたそんな表情。少しだけ色めいたような、艶っぽい顔にも思えて何となく顔を逸らす。

そういえばなのはは服が乱れて半裸もいいところだった。私がやったんだけど。


「なのは、服、その…戻したほうが……。」


しどろもどろにそう言った私に、何故かなのはが笑う。少しだけ悪戯っぽい含み笑いを浮かべて、それから耳元で囁く。


「続き、しなくていいの?」
「んな…えっ…えと……」


予想外の囁きに狼狽える私に。


「あんなにがっついてきた癖に。」


ちょっとだけ艶めいた、そんな呆れ声が聞こえた気がした。














そうして色んなことがあった末に、晴れて私はなのはと再び交際するようになったのだが。月日が経って、めっきりなのはの家に通いすぎたりして、なのはに「一緒に住まないの?」とかヴィヴィオに「大人になったらフェイトママと結婚する」とか言われたりして。


幼い子供相手に割と本気で「フェイトちゃんはなのはママのだから結婚はだめ」なんて言っている光景をよく目にしている、というのは余談だったりする。とりあえず私も、アリサやはやて、それからすずかにいろいろと促されて。

そろそろ指輪とか買ったほうがいいのかなとか思ったりしているのだった。















完結ぅぅぅぅーーーーー








これで完結という形にさせて頂こうかと(*‘ω‘ *)
急な思い付きSSに長らくお付き合いくださいましてありがとうございました!








テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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