もだもだも

続きみたいな web拍手 by FC2







「なのは、もう帰る?」
「ふぇ?…うん。」


ぼうっとして窓の外を見ていたら、不意にフェイトちゃんに話しかけられて。慌てて途中だった帰り支度を終わらせて、席を立つ。

アリサちゃんもすずかちゃんも今日はお稽古で、はやてちゃんはお仕事。だから今日は私とフェイトちゃんだけ。フェイトちゃんはもう帰り支度が終わってて、私を待っているみたいだった。


「ごめんね、待たせちゃって。」
「大丈夫だよ。忘れ物はない?」


クスッと笑って、フェイトちゃんは歩き出す。教室には誰も居なくて、外では部活動の喧騒が響いて居た。時折、廊下ですれ違う子が、ちらりとフェイトちゃんを盗み見てたりして、私は自分のその視線をフェイトちゃんへと向ける。整った綺麗な横顔。学校で見せる顔と仕事中の顔は違う。仕事中はもっと格好良いと思う。…なんて。


「どうかした?」


こちらに視線を向けて、目が合ったフェイトちゃんがちょっと照れたように困ったように笑った。


「な、なんでもない。」


思い出してしまったのは、少し前のキスの事。あれ以来、フェイトちゃんも私もその話には触れなくて、当然2度目のキスもなくて。ほんの数日前のことなのに、なんだか幻だったようにも思える。あんなに眠れなかった夜が嘘みたい。…もちろん、思い出すとやっぱり今でも恥ずかしいんだけど。

それでも、フェイトちゃんが何も言ってこないのは。


「あの、さ。…フェイトちゃん。」
「なぁに?」


学校を出て、他愛ない話が途切れた合間。

あんまり人気がない路地。…もうすぐフェイトちゃんとの分かれ道。ちゃんと言わなくちゃと思っていたこと。


「その…」


足を止めた私に、フェイトちゃんが振り向いて止まる。なんとなく、私が言いたいことを分かっていそうな顔で。


「この間の……」


言い出して、また恥ずかしさが湧いてきた。そんな私の言葉を待たずして、フェイトちゃんが少し困ったように笑う。


「キスのこと?」
「…ぅ」


きっと私の顔は赤くなってると思う。フェイトちゃんは少し笑ったまま、「ごめんね」と言った。


「……私もその…無意識…とかじゃないんだけど…」


ほんの少し頬を染めて、なのはが嫌ならもうしないから。なんて、最終的には言葉をそこで止めて、謝罪した。やっぱり誤解してたかと、今度はこっちが苦笑する番。


「違うよ、…嫌とかじゃなくて。」


ちょっと恥ずかしかっただけなのだと、蚊の鳴くような小さな声で説明した。いま絶対顔が赤くなってるはず。説明してる自分がますます恥ずかしいけど、それよりもフェイトちゃんに誤解されたままは嫌だった。


「どんな顔したら良いか分からなくて…その」


あの日は何も話せなかったし、別れ際の挨拶すらきっとぎこちなかった。初めてされた口付けが、あまりにも自然な運びで、フェイトちゃんが自分より大人に思えて、それも恥ずかしかった。慣れてるみたいだった、なんて。


「……もしかして、ほかの人とした事…ある?」
「なっ…、あるわけ無いじゃない!」


フェイトちゃんにしては少し大きめの否定の声。じゃあフェイトちゃんは初めてであんなに自然にキスしたのかと、なんだか天性のセンスというかそんなものを感じて項垂れた。


「そっか。」
「……でも、良かった。」
「ふぇ?」


少し気持ちが落ち着いた頃。隣でフェイトちゃんが小さく息をつく。


「もしかして嫌われたかなって、思ってたから。」
「……そんなわけ無いでしょ。」


嫌じゃなかったもの。と続けると、フェイトちゃんが穏やかに、だけどとても綺麗に笑う。その微笑みに、心臓が鷲掴みされたみたいになった。出来ればそんな顔はほかの人には見せないでほしい。


「また、……しても良いの?」


それからちょっと、意地が悪い質問。
そんな事聞かないでも知ってるくせに。


「……し、知らない。」


そう答えた私に、フェイトちゃんは可笑しそうに笑っていた。相変わらず路地はたまに人が通るくらいで、空はすっかり橙色。フェイトちゃんは少しだけ微笑して、夕日を背負ったままで私を見る。この位置なら、私の顔が赤くても夕日のせいになるだろう。なんて、思うのも束の間。


「私は、我儘だから」
「え?」


それから、フェイトちゃんはそう言って困ったようにクスッと笑って。


「我儘で欲張りだから、嫌われたくなくて。でも、なのはの全部が欲しいんだ。」
「………。」


そんな風なことを言った。私は言われた言葉を、暫し反響させて。考えて。理解した頃には多分、とんでもなく顔が熱くて、夕日のせいに出来ないくらい赤かったかも知れない。なんてことを言うんだろう、この人は。その言葉は気持ち的な意味で、身体とかそう言う意味じゃないのかも知れないけど。


「ふぇ、」
「……もう暗くなっちゃうから、帰ろ?」


事も投げに、さらりとそう言ってフェイトちゃんは手を差し出した。これはとんでもない狼なのかも知れない。なんて、特別そんなこと、思っても無いけど自分の身の危険を感じた気分になった。

同時に、いつかフェイトちゃんともそう言う関係になるのかと。想像して、体温がさらに上がった。


「……ま、まだ。」
「うん?」
「まだ駄目だからね?」
「ん?」
「まだあげないよ?」
「……なのは、何の話してるの?」


フェイトちゃんの手を握って。夕暮れの帰り道。平静を装ってはみても、私の頭の中は変な想像でいっぱいで。フェイトちゃんの言葉はあまり耳には入ってこなかった。










おわり。




ピンクは淫乱って言うし。フェイトちゃんは特別変な意味なく言ったんだけど、なのはちゃんががっつり変な意味でキャッチしたみたいな( ◔ д ◔ )ところがフェイトちゃんはキス以上は一向にしてこなくて焦れる淫乱ピンクみたいなそんな話すきです。

テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

コメント

非公開コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
プロフィール

92

Author:92
なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2拍手記事別ランキング
FC2拍手記事別ランキング
FC2拍手記事別ランキング
twitter
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR