年の差のやつ

久しぶりすぎて話が別物感ありますが(略

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「どうしたん? フェイトちゃん。」
「…なにが?」


なんとなく、聞かれると思った。今日はどうあっても、何でもないような表情なんて繕えなくて、聞かれて少し苦笑した私に、はやてが溜息を吐く。


「なのはさんと何かあったん?」
「……何もない…なんて、言えれば良いんだけど。」


はやてには敵わないね、と笑って。


「昨日、買い物に行ったんだ。」


それから他愛もない話のように続けた私の言葉を、はやては黙って聞いていた。
昨日買い物に行って、そこで偶然、知らない人と歩くなのはを見掛けた。知らない男の人と歩くなのはを。その人と歩くなのはを見掛けるのは二度目で、なのはは何だか楽しそうで。それで。


「それでそんな顔しとるん?」
「……。」
「見掛けて話しかけたりしなかったん?」
「出来なかったんだよ。」


苦笑してそう言うと、はやてがなんとも言えない顔をした。なのはとその人があまりに楽しそうに歩いていて、その時その場に出て行く勇気なんて、私にはなかった。


「それで…」


ほんの少し空いた窓の隙間から少し冷たい風が吹き付けて、前髪が揺らぐ。


「それで、なんとなく。…思っちゃったんだ。」


気付かされたというか。そう思わざるを得なかった。


「なのはには、あんな人が良いのかも知れない。」


私みたいな子供じゃなくて、年上の物腰の柔らかそうなあんな男の人が。そう思ったら考えは止まらなくて、なのはからきたメールにも返事ができなかった。電話にも出たくなくて。……なのに会いたくて。


「…格好悪くて、会えないなって。」


そんな事を考え出したら格好悪くて。そんな自分を見られたくはなかった。悪循環。堰を切ったようにそこまで言い切った私の言葉にはやてはなんとも言えない顔をして、それから困ったような顔をする。

「そんなことばっかり考えてたらあかんよ?」
「……うん。」
「なのはさんとちゃんと話し合うとか、そういうのせな。」


どうせなのはさんはフェイトちゃんべた惚れなんやし。なんて笑って元気づけられて、私はそんなもやもやした気持ちを抱いたまま、放課後を迎えた。

──のだけど、学校の門の前で、どうしてかその日はなのはが待ち伏せしていて。


私はこんな気持ちのままなのはと対面することになってしまったのだった。
















何となく避けられているような気がして、というのも、フェイトちゃんはまめだから、メールも電話も基本的にはすぐ返事をくれる。のに、今回に限って、メールも電話も何も返事がなくて、それで不安になって彼女の通う学校へとやってきた。

校門で待ち伏せなんてフェイトちゃん嫌がるかな、なんて不安はいっぱいあるんだけど、それよりも彼女からの連絡が一切ない事がなにより不安。……なんて、大概私も大人気がないなぁ、と少しだけ苦笑が漏れた。

そんな中で、学校から出てくる生徒たちの中にフェイトちゃんを見つけた。本当に目立つな、なんて思って目が合って。なんとなく、ちょっと気まずそうな顔をされてしまった。






「……えと、ごめんね急に。」
「うぅん、なのは、今日仕事休みだったの?」


帰るフェイトちゃんに並んで。そう聞かれて、今日は仕事が早く終わった事を伝えると、フェイトちゃんは「そっか」なんて少しだけ小さく笑った。








「メールとか、返さなくてごめんね。」


それからフェイトちゃんがそんな風に言ったのは、私の家に来てからだった。

ソファーに座って、温かいココアを飲みながら。いつもよりフェイトちゃんが妙に落ち着いていて、それが堪らなく落ち着かない。なんとなく、嫌な予感がするというか。もしかしてほかに好きな人ができた?とか、だからメールも電話も返してくれなかったの?とか、考えるのはそんな事ばっかりで。大人の余裕なんてなくてむしろちょっと重いかもしれない。なんて。考えている時だった。


「……ねぇ、なのは。」


こういう時って考えれば考えるほど悪い方に話が進む気がする。


「なぁに?」


なんとなく、声が少しだけ震えた。フェイトちゃんにばれないように気を付けながら、できるだけ落ち着いたふりをして、そこで、フェイトちゃんと目が合う。

紅くて深い色の瞳。小さいころから綺麗な顔をしてたけど、ここ最近本当に綺麗になったなって思う。もちろん格好良いっていうのもあるんだけど。スタイルもいいしきっと勉強もできる。だから、多分同世代の子達にも当然好意を寄せられているはず。

何となく。本当に何となくだった。

もしかしたら心のどこかで「嫌だ」と我儘を言われて安心したいずるい自分が居て、フェイトちゃんを試そうとしたのかもしれない。もしかしたら本心で彼女には私よりふさわしい人がいるって思ったからかもしれない。


「……別れる?」


混乱してたのもあったかも。言った瞬間には、自分が何て言ったのか理解できなかった。フェイトちゃんの顔を見るまでは。

別れたいなんて一瞬たりとも思ったことがないのに。


そう言った私の言葉に、フェイトちゃんが顔を上げて、それから私の言葉を理解して。ぽたりと雫が落ちた。…気がした。


「わかっ……た」


最後の方はほとんど声にはなってない、そんな声でフェイトちゃんがそう言う。すぐに俯いてしまったから、表情までは見えなかったけど。


「え…?」
「ちょっと、私…もう帰るね。」
「えっ」


それから、そんなに多くはなかった荷物をまとめて、あっさりと。


「それじゃ。」
「え? ちょっ…フェイトちゃ……」


困惑する私を残して、フェイトちゃんは逃げるように私の家を出て行ってしまった。
「別れよう」と言った瞬間のフェイトちゃんの表情が焼き付いて離れなくて。彼女を泣かせてしまった自分の最低さに、心底死にたくなるような気持ちで。


「……う、嘘。」


呆然と、彼女が飲み残したまだ温かいココアの湯気を見つめながら。一人でそう呟いたのだった。


その後、慌ててすぐに追いかけてももう近くには居なくて。




その日の夜は一睡も出来なかった。







FIN







なのはさんやらかし事案(∩˙-˙∩)
続けば次が最後かと。続けば。









テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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