なのへー

こうしてなのはさんは誘い受けるのである


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「はやてちゃん、聞いてる?」
「聞いてる聞いてる。フェイトちゃんに避けられてるって言うんやろ?…私からしたらそんな事ないように見えるけど。」


勘違いやないの? なんて、書類片手にはやてちゃんが言った。職務の合間のひと時。休憩の合間に、相談があって私は幼馴染のはやてちゃんの所へやって来た。

そんなはやてちゃんに相談することといったら、専らもう一人の幼馴染、かつ私の恋人であるフェイトちゃんのこと。

恋人としての交際歴はまだ浅い。半年くらい。だけど友達としては、もう随分と長い付き合いにある。そんな彼女の様子が最近おかしくて、ちょっとだけ困っていて。


「えー、だってフェイトちゃん、ろくに目も合わせてくれなくなったんだよ?」


困ったことに理由もわからない。もしかしたら、フェイトちゃんに嫌われたのかもしれない、それとも他に好きな人ができたら? なんて考えるのはそんな事ばっかり。かといって、フェイトちゃんを四六時中観察するわけにもいかない。とりあえず困り果てた私は、はやてちゃんに相談に来たというわけ。


「んー、何か怒らせた、とか?」
「……フェイトちゃん、あんまり怒ったりした事ないからなぁ…」
「そーやね、私もあんまり見た事……ん、分かった。」
「何かわかった?」
「いやいや、私が今からフェイトちゃんを呼び出して理由を聞いてみるから、なのはちゃんはそれを待っ」


──コンコン。


「はやて、失礼して良いかな?」
「フェイトちゃん!?なんや、急に…」


呼び出して聞いてみると言ったと同時に。噂をすれば、というか、間が悪いというかちょうどフェイトちゃんが来てしまった。律儀に扉をノックして返事を待っている。私が今ここで会うのはなんとなく気まずくて、出来れば避けたいのが本音で。


「なのはちゃん、とりあえず隠れてて」
「ふぇっ」


そんな私にはやてちゃんが小声でそう言って。


「にゃっ狭い…」
「我慢せぇ」


無理やり、私はロッカーに突っ込まれた。何もこんなところに…と思うけど、はやてちゃんは機転が利く。これが最良の方法だと思う。本当は偶然だねって笑えば一番良いのだけど。そんな私をよそに。


「どうしたん? フェイトちゃん。」


急にきて。なんて、私をロッカーに押し込んだあと、何事も無かったように平然とフェイトちゃんを迎え入れるはやてちゃん。フェイトちゃんは少し疑問そうな顔をしてから、ちょっとだけ苦笑した。……のを、私はロッカーの隙間から覗いて見ていた。


「どうかしたって、呼んだのはやてじゃない。朝、呼んだでしょ? 書類取りに来てって。…あれ? 誰か来てたの?」
「そ、そーやった。…渡そう思ってた書類が…あ、コーヒーは片付けるの忘れてただけ。」


テーブルの上のカップを見て「お邪魔だった?」なんて言うフェイトちゃんに、はやてちゃんは首を横に振る。


「これ、クロノくんが言うてたやつ。」


それから、はやてちゃんはそう言って書類をフェイトちゃんに渡した。


「あぁ…ありがとう。助かるよ。」
「フェイトちゃん、働きすぎやない?」
「そう?…はやてとか、なのはほどじゃないよ。」


くすっと笑って言うフェイトちゃんに、そこで。


「そーいや、なんやけどな? フェイトちゃん。」
「うん?」
「なのはちゃんと何かあった?」


ちょっと!と言いそうになって息を止めた。はやてちゃん、私がここにいるって忘れちゃったの?なんて。よりによって本人の前でそんな…。


「なにかって? …なのは、何か言ってた?」
「いや、何も言ってないけど…なんとなく。」


はやてちゃんは誤魔化し方も上手い。「言いたくないことなら無理には聞かないけど」と付け足して笑ったはやてちゃんに、フェイトちゃんは少しだけ頬を染めた。


「ち、違うんだよ。」
「なにが?」
「あ、えと…その。…こ、困ってるんだ。」
「なのはちゃんに?」


そう聞いたはやてちゃんに、フェイトちゃんが頷いたのを見て、ロッカーから飛び出したい気持ちを抑えた。困ってるってどういうこと?と、ショックで顔を押さえる。


「その…付き合って半年くらい、でしょ?」
「まぁ。」
「なのはが無防備すぎて…その、ドキドキすると言うか。」


けど、次の瞬間に、耳を疑った。


「あの、あんまりこういうの人に相談するのはどうかと思うんだけど。……なのはが無防備で可愛いから、その。」


時々無意識に手が出そうになるんだ。なんて、恥ずかしそうに情けなさそうに、申し訳なさそうに。フェイトちゃんがそんな事を言った。


「あー、別に付き合ってるんやし、なぁ。」


ええんやないの?というはやてちゃんは完全に興味なさそうな顔をしてコーヒーを混ぜている。


「そ、そんなの、大切にしてないみたく思われたら嫌だもの。私は、ちゃんと──…」
「あー、はいはい。なるほど。そういうこと。」


つまり、フェイトちゃんの様子が最近おかしかったのは…。とか考えて、何と無く口角が上がってしまった。変な心配をして損した。なんて。


「まぁ、なんて言うか、我慢もほどほどにな?」
「うん…あ、私もう行かなきゃ。」
「はいはい、言ってらっしゃい。」
「ごめんね変な話して」
「いや、むしろ私の方が……ご、ごめんな?」
「なんではやてが謝るの?」


変なの、と笑ってフェイトちゃんは慌ただしそうに部屋を後にした。フェイトちゃんって本当に忙しそうだなぁ、なんて思いながら、ロッカーから出て。


「はやてちゃん、急にロッカーに突っ込むなんて酷い。」
「ごめん。」
「………ま、いいけど。」


おかげでいい事を知った、なんて唇に指を添える。


「なのはちゃん…?」
「ふぅん、そっかそっか。」
「あー、フェイトちゃん、ほんまにごめん。」


私の顔を見て、はやてちゃんがここにはいないフェイトちゃんへの謝罪の言葉を口にした。


「フェイトちゃん、そんなこと考えてたのかぁ。」


ドキドキしてくれてるんだ、と笑みが漏れた。必死に相談というか悩みを打ち明けてたフェイトちゃんはとても可愛かった。


「さてと、私も仕事に戻らなきゃ。」
「フェイトちゃんに悪い事したなぁ…」
「なんで私の顔見てそんな溜息つくの?」
「いや、フェイトちゃんが不憫で。」


大きく伸びをして、書類を手に。


「さて、と。」


手短に端末を操作して、メッセージを送信した。


「午後のお仕事も頑張ろーっと。」
「フェイトちゃんのことあんまり虐めたらだめやよー?」
「はぁい」







『今日夕飯食べに来てくれる?』


そんなメッセージ。フェイトちゃんが断る事はまずない。となれば。


「クロノくんに根回しして、フェイトちゃんは明日オフシフトにして…えーっとそれからー…」


ブツブツと独り言。


「……スッポンってフェイトちゃん好きかなぁ。」


夕飯のメニューを考えながら、午後は仕事がとても捗ったのは余談で。夕方からは自分磨きに余念が無かったのでした。












─その頃のフェイトちゃん─





「…夕飯……いや、大丈夫、私は、大丈夫。」
「ど、どうしたんですか? フェイトさん。」
「え…えっと、イメージトレーニング…かな。」
「へぇ…珍しいですね。」
「うん。精神統一っていうか、動じないような強さが欲しくて。」
「フェイトさんは十分強いですよ。」
「そ、そうかな…」





あんまり危機感がなかった。


















( ◔ д ◔ )ファイッ!!!


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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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