お久しぶりです。

今日のオルフェンズ見ました!?
何故なの!?!?

(:.;゚;ж;゚;.:)おこ

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「その願い、叶えてあげようか?」




それは間違いなく、悪魔の囁きだった。

腕に抱いた大切な人の温もりが消えていく雨の中、囁かれたその悪魔の囁きに私は考えることもなく首を縦に振る。そんなことが出来るなら、それは神か悪魔の所業。悪魔であろうがなんであろうが何を失おうが、なんでも良かった。

彼女を、なのはを失うより


「…出来るの?」


彼女から流れる赤いそれは止まることを知らず、命とともに流れ落ちていく。幼いころから大切に守って来た彼女はこの国の姫で。私は彼女を守るために存在する兵で、騎士で。彼女の命を取り戻せるなら、私の命を差し出しても構わない。どんな事でも出来た。


「なのはを、助けられるの?」


そう聞いた私の言葉に、悪魔は薄く笑う。嫌悪感さえ抱くような笑みに、それでも縋ってしまいたくて。雨の中、冷たくなっていく彼女を強く抱く。


「勿論。僕は悪魔だからね…。」
「じゃあ」
「でも善人ではないからね。ただでは出来ないよ。」
「分かってる。私が持っているものなら何でも差し出そう。」


だからどうか。懇願するような私の言葉に、目の前の悪魔は一層笑みを濃くしたように見えた。雨で視界が悪い中、黒い衣に身を包んだその男の頭には二本の角が備わっている。その男は、満足げに頷いて続けた。


「では君の魂を。」


それと引き換えにその子を現世に留めてあげよう、と続けた。


「本当に?なのはを──…助けられるの?」
「勿論。しかしフェイト。これは契約だ。」


どうして私の名前を知っているのか、とかこの際どうでも良かった。


「君の魂を貰うのは半分。…これは人質という方が分かりやすいかな?」


意味深なことを言う悪魔はにこりと微笑んで、ゆらりと近づいて、私に触れる。温度の感じないその手が頬に触れて、それから告げた。


「君は悪魔の眷属になってもらう。」
「……は?」
「魂を半分。僕がもらう代わりに、君には力をあげよう。」


薄気味悪い悪魔はその冷たい手でなのはの額に触れた。


「ずっと見ていたんだけど、今は戦時中、というやつなんだろう?」


人間は戦争が好きな生き物だからね、と続けて。


「君は半分魔の生き物になって、戦うのさ。」
「何故?」
「答えが必要かい?彼女を救う為に。」
「……。」


答えを聞いても心が揺らぐ事は勿論無い。でも意味が分からない。


「君がその力で敵兵を倒せば倒すほど、人の命を奪うほど、僕の位があがるんだよ。」


ただそれだけさ。と続けて、その悪魔がなのはの額から手を離した瞬間、ぴくりとなのはの身体が動いた。


「なのは…。…っ、彼女は…」
「あぁ、この子は全く普通の人間だよ。何の細工もない。」


ただ。


「君にはその業を背負ってもらおう。これは契約だ。」
「いいよ。…何でも。」


魂だろうが命だろうが。なのはを取り戻すためなら何を失っても構わない。


「では契約は成立だ。君の魂を半分貰う代わりに、君は人ではなくなる。」
「うん。」
「君の活躍を楽しみにしているよ。フェイト。」


最後に「ジェイル」という名を名乗ったその悪魔と、私は契約をした。

勿論後悔はしていない。事実、なのはは何事もなく健やかに今を生きている。自分が死にかけた事も知らず。もちろん私があの日何をしたかも知らず。それでいいと思った。もう二度とこんな思いはしたくないし、彼女をあんな目に合わせるつもりもない。第一、自分がもう以前の時分でないことは身をもって分かっているし。

信頼のおける幾人かにはその事情を話はしたけれど、彼女には決して知らせぬと約束をしたから、きっとその約束は破られることはない。だから、彼女と距離を置いて、私は戦争に身を投じたのだった。




















「はぁー…憂鬱。」
「そんな事言われてもなぁ。」


ジト目で見ながら事の原因になった親友であり側近のはやてちゃんにそう言葉にすると幾ばくかの罪悪感があるのか、はやてちゃんは視線を逸らした。私、高町なのはは本日19歳の誕生日を迎える。…のは良いんだけど、問題はその先。


「なんであんなこと言ったの。」
「ごめんて。」


祝賀のパーティーをするなんて言ったのは例年通りで、だけど、「ついでにお見合いでもしたら」なんて。言ったのははやてちゃん。


「私まだそういうのいいのに。」


必要ない。というかしたくない。むしろ嫌。


「そうは言っても、一応なのはちゃんもお姫様やし。」
「一応ね。…でも今はそんな事言ってる場合じゃ…」
「とか言うて。」
「え?」
「本当はまだ、フェイトちゃんの事……」
「まさか。」


最後まで言い終わる前に言葉を区切る。まさかそんな事あるはずがない。フェイトちゃん、というのは少し前まではやてちゃんと一緒に私の側近で、騎士だった人の事。今はちょうど、戦の前線に出てるけど、そんな名前を出されて即座に否定した。


「……それはないよ。あんな人。」


首を横に振るとはやてちゃんは少し悲しそうに笑う。


「今や将軍やしなぁ。」
「もう全然話もしてないし。」


そもそも会ってもいない。噂しか聞かない。ずっと昔、彼女は私を想ってくれていた。私もかつてはそうだったし、約束さえしていた気がする。ただの口約束で終わってしまったけど。


「フェイトちゃん、変わっちゃったから。」
「……もう好きやない?」
「うん。…昔は好きだったけどね。」


幻だったように思える気持ち。


「それ、自分に言い聞かせてるんやなくて?」
「……うん。」


もう彼女とは全く関係がない。事実彼女は私に話しかけることも、その目に私を映すこともなくなった。


「最初は、あの日、勝手に戦場についてったこと、怒ってるのかと思ったんだけどね。」


数年前、一度勝手に戦場について行ったことがある。その頃から、いつしか薄れた関係。彼女は私の事なんて忘れたように戦いに明け暮れる。声をかけても手紙を出しても返事がない。だから、そういうこと。


「…あんな人、大嫌い。」
「そっか。」
「あとお見合いしたくない。」
「それはごめんって。」


机に突っ伏して、目を閉じると少しだけ頭痛がした。彼女の事を考えるといつも頭痛がする。それはもちろん、この先のお見合いの話の所為でもあると思うんだけど。


大嫌いと言いながら、大嫌いといった自分の言葉に胸が痛む。私は何年たってもきっとここから抜け出せない。


だったら。


「……でも、相手が良い人だったら、それでもいいのかな。」


ぽつりと呟いた言葉に、はやてちゃんがなんとも言えない顔で笑う。苦笑したような少し悲しそうな顔で。どうしてはやてちゃんがそんな顔をするのか、その時の私には、まだ分からなかった。















FIN



こういうのも書きたかった( ◔ д ◔ )
すれ違ったまま真実を知らずにフェイトさんを嫌うふりをするなのはさん的な。一生知らせる気もなく戦いに明け暮れるフェイトさんとか。








テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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初心者ですが宜しくお願いしますorz
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