なのフェイ

なのへいなのへい( ◔ p ◔ )

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「…っと、危ない」


一応これでも反射神経は良い方だと、実戦で培われていると自負しているところはある。
目の前で躓いた女性局員に咄嗟に手を伸ばして、転ぶ寸前で、手を掴んだ。多少乱暴な止め方だったかと少し思うけど、当の本人はそんな事言わずにほんの少し頬を朱に染めて「ありがとうございます」とだけお礼を言う。

その拍子に、いつからなのか。視界の端に、見慣れた姿。通り掛かりのなのはが、ちょうどこちらを見ていた。
目が合って、なのははそのまま歩きながら視線を落とす。多分、その女性局員を捕まえたままの私の手に。

けれど。何となく私は顔を背けてしまった。

いや、普段だったらすぐにその手を離してなのはにあらぬ誤解をされぬよう努めるのだけど、今回は。何故かそんな態度を取ってしまったのだ。

それは単純に、子供っぽい愚かな嫉妬心。多分そうしてしまった原因があるとすれば、少し前に私が見た光景のせいだと思う。単純に。なのはが私の知らない男性局員に話しかけられて、多分偶然なんだと思うけど、手が触れたのを見た。それで、ただつまらない嫉妬心を拗らせていた…というか。


『フェイトちゃん?』


けれど、そんな私の愚かな行いも、なのははきっとお見通しなんだろう。少しだけ困ったような声が頭に響く。念話という手段を使うなんて予想外で、私は少しだけ遅れて返事だけした。


『さっきの、もしかして怒ってるの?』
『そんなこと…ないけど。』


手を掴んだまま固まる私に、目の前の女性局員は少しだけ狼狽していた。


『いい加減、私にはフェイトちゃんだけって、分かってくれると嬉しいんだけどな。』


フェイトちゃんしか居ないんだから。例え他の誰に何を言われても何をされても心が他の人に揺れることはないんだから。通りすがりながら、そう念話でさらさらとそんなことを言うなのはに、頬がほんの少し熱を持つ。全く、私はなんて単純なんだろう。


『ご、ごめん。』


別に疑ったり、そういう風に思ってる訳じゃないのだけど。と、言い訳するように続ける私に、なのはが少し笑った気がした。


『分かってくれたなら良いよ。』


フェイトちゃんしか居ないんだから変な心配しないでと。そう続けられて、小さく息を吐く。


『分かってくれたなら』


けれど。


『分かったなら、いい加減 その手離して?』


そうなのはに言われて数秒、気付かなかった。


「──あっ!ごめん!」


長い間ずっと握りっぱなしだったその手を咄嗟に離す。
慌てたせいで口に出たその謝罪の声は、なのはに向けたのかその目の前の女性局員に向けたものか、自分でもよく分からなかった。









( ◔ p ◔ )

テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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