いふ

おひさし…

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「機動六課…」
「そ。…前に新部隊の話したの、覚えてる?」
「うん、勿論。」


コン、とマグカップをテーブルに置いて。目の前ではやてちゃんは少し真剣な顔。

私、高町なのはは、9歳の時 ひょんな事から魔法に出会い、そして魔道士になった。それから10年、今現在は時空管理局という場所で、魔道士として働いている。

目の前に座るはやてちゃんは、私と同じ管理外世界…地球出身で、幼馴染で、同僚であり親友という仲。そんなはやてちゃんが前々から言っていた話。それは、彼女が立ち上げる新部隊を、手伝って欲しいと言う話だった。


「正式にはまた、お話させて貰うんやけどな?」


ほんの少し不安そうな、申し訳無さそうな顔をして。


「なのはちゃんには分隊の分隊長お願いしたいんよ。」


一気にそこまで言い切って、ちらりと私の方を見て「やってくれる?」なんて不安そうな顔。そんなはやてちゃんの台詞に、私はわざとらしく息を吐く。


「やっぱり忙し──」


忙しいから難しいかな?なんて。私のため息を聞いて、控えめにそう言おうとするはやてちゃんの言葉を遮って口を開いた。


「もう。水臭いって、この前も言ったでしょ。」
「ほぇ?」
「勿論、やらせて貰うよ?というか、手伝わせて。」


この間もそう言ったじゃない。なんて少しだけ眉間にしわを寄せる。そんなに遠慮しなくたっていいのに。という意を込めて。


「断るはずが無いじゃない。もう。」
「あー、一応、な。…良かった。」
「前もやるってお返事したのに。」
「そ、それは…そうなんやけど…。」


こほん、と咳払いしてはやてちゃんは少しだけ恥ずかしそうに苦笑して、それからいつも通り。


「立ち上げる隊の正式名称は『本局古代遺物管理部 機動六課』そこでなのはちゃんに頼みたいのは新人魔道士の教育。…実は新人魔道士何人か入れる予定でな?」


一変して、真面目な顔。だけどどこか、気合いに満ちたような楽しそうなそんな顔をして、はやてちゃんは続ける。


「あ、でな。そうそう。」
「うん?」
「なのはちゃんと同じ分隊長、もう一人決めてあるんよ。」
「え?そうなの?」


ぽん、と手を叩いて。思い出したとばかりにはやてちゃんが言うのを、私はマグカップ片手に聞いていた。
分隊長というくらいだから、分隊の隊長は何人か居るのかなぁ、なんて思ってたから予想通りではあるんだけど。


「そ。執務官の子。」
「えっ?執務官?」
「あれ?知っとる?フェイト・T・ハラオウン執務官。…機動六課の部隊付き執務官として法務、広域捜査関係頼むことになっとるんやけど。」
「…あ、いや。知らないけど。良くお願い出来たなって…その子もはやてちゃんの知り合いなの?」


執務官と言えば、結構…エリートというか。近付きにくいイメージ。


「いつかなのはちゃんにも紹介しようと思ってたんやけど、私の友達。…良い子やから、なのはちゃんとも上手くやっていけると思うよ。」
「ふぇ?…う、うん。」


はやてちゃんの交友関係は本当に幅が広い。はやてちゃんは得意げに頷いていた。マグカップを手にして、傾けながら。


「今呼べれば良いんやけどなぁ…あ、ちょっと待っててな?」
「ふぇ? いいよ、忙しいんじゃない?」


特に人見知りするとか、そういうのは無いんだけど。なんとなく「執務官」と言うと変に緊張するわけで。首を横に振る私を無視してはやてちゃんは手短にコンソールを叩く。何故かちょっと、悪戯っぽい顔で。


「いま簡易メッセージ送ったから、もし来れるようなら来てくれるはず。」
「…執務官って、私クロノくんしか知らないんだけど。」


思い出すのは気難しい…と言うか生真面目な知り合いの顔。確か彼も、執務官だった。…今は違うけど。そう言うと、はやてちゃんは笑う。


「フェイトちゃんはクロノくんの妹。」
「えっ?」


ここで何となく、女版クロノくんをイメージしてしまって眉間にしわが寄った。何となく、上手くやれるか急に不安が募る。気難しいクロノ君の妹さんって…どんな風なんだろう、なんて。

一人でそんなこと、考えて居る間に。







「はやて。呼んだ?…ちょうど通りがかりだったから良かった…」


と、すぐあとに、後ろから。聞いたことのない声がした。はやてちゃんはと言うと、その人の予想より早すぎる登場に目を瞬いていた。


「フェイトちゃん、えらい早いな。」
「うん、だから、ちょうど通りがかり。…あまり長くは居られないんだけど、急用だった?」


その声に振り向いて。そのまま一瞬、釘付けになってしまった。色白の肌、薄金の長い髪を揺らして、黒い執務官服。とても綺麗な人が書類を抱えて立っていた。


「ごめんな、急に呼んで。来ると思ってなかった。」
「そ…それは酷いよ、はやて。……こんにちは。」


はやてちゃんのあんまりな言葉に項垂れて、それから私と目が合う。──と、微笑を浮かべて挨拶をくれた。


「こ、こんにちは。」
「フェイトちゃん、ちょうど良かった。…こちら教導隊所属の高町なのは一等空尉。この間話したやろ?分隊長やって貰いたいもう一人の子。…エースオブエースの噂は聞いとるよね?」
「勿論。」
「んで、なのはちゃん、こちらさっき言ってたフェイト・T・ハラオウン執務官。なのはちゃんと同じ分隊長をお願いするつもり。」


そう言って、二人とも宜しくな?なんて続けられて。


「テスタロッサ・ハラオウンです。…あ、呼ぶときはフェイトで良いですよ。」
「えと、高町なのはです。宜しくお願いします。」
「ちなみにみんな同い年やよ。」
「あ、そうなんだ。…じゃあなのは。宜しくね。」


ふわりと柔らかく笑って、細められた綺麗な紅い瞳。本当にとても綺麗な人だった。

大袈裟かも知れないけれど、すれ違ったら多分、みんな振り向くんじゃ無いかなっていうくらい。執務官の人とはあんまり交流がないから知らなかった。こんなに綺麗な人が居たなんて。









それから少しして、はやてちゃんは無事に「機動六課」を設立して、私と彼女は分隊長として出向した。







そのあとで、隣に立って、交流が深まって気が付いた。
時折見せる彼女の寂しそうな瞳に。
その理由が知りたくて、不思議と惹かれて。



彼女の抱える孤独と闇に気付くのはまだまだ先で。自分の中に芽生えた気持ちに気が付くのはそれよりも少し前の事だった。











おわり。



もしもPT事件でフェイトちゃんがなのはちゃんに救われてなかったら編。なのはちゃんには出逢わなかったけど、出逢わないままで、PT事件を終えて大人になって出逢う編。
救われなかったから大人になっても心に闇としこりを残すフェイトちゃんと、それが気になって仕方ないなのはちゃんのリリカルマジカル頑張りますストーリー。

なんて、妄想しながら日々過ごして居ました。
私は笑顔で居ます元気です。



( ◔ д ◔ )



テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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