続きみつけたので

あの神官がジョブチェンジ的なやつの続き書いてたのがあったので、供養します(˙-˙ ≡ ˙-˙)覚えてる人いるか分かんないけど。

あとで前までの話のリンク貼りますね( ´ ∀ ` ;)

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「──雨、か。……なのは、寒くはない?」
「うん、大丈夫。フェイトちゃんは?」


大丈夫? と問われて、少しだけ笑う。なのはを城から連れ出してもう随分と時間がたった気がしたし、まだ少ししか経過していないような気もする。そんな中の、雨。逃げるには好機だと思えた。

雨が足跡を消してくれるし、足音さえ消してくれると思ったから。もう少し城から離れたら馬を使って距離をとるとはやてが言っていたのを聞いたが、それまでは少しも油断が出来ない。フェイトは神経を尖らせながら周囲に気を配っていた。


「あの」


そんな中、何か言いたそうに向けられるなのはの視線に少しだけ戸惑って、苦笑して、それから「どうしたの?」と問う。なのはの何か言いたげな視線をどうにも無視できなくて、こんな状況なのにそれが嬉しいなどと、フェイトはそんな自分に小さく息を吐く。それと同時に、まだそんな風に思える自分に少しだけ安心した。


「フェイトちゃん背が伸びたね。」
「……そりゃ、伸びるよ。」


なのはだって綺麗になったじゃない、なんて少しだけ笑う。なのはが健やかで本当に良かったと。アルハザードの王が彼女を妃にすると言い出した時には、それこそ気がどうにかなりそうだったが、無事に助け出せて本当に良かったと、フェイトは思う。


「どこか痛いところとか無い?」
「うん。平気だよ。」
「もう少ししたら馬を使うらしいから、ちょっとだけ歩くの我慢してくれるかな。」
「全然平気だってば。…こんなに歩くのは久々だから、少し嬉しいかな。」


少しだけ苦笑してそう言うなのはに何も言えなくて、フェイトは少しだけ押し黙る。ずっと幽閉されていたなのはの今までの事を考えると胸が痛んだ。


「なの──…」


ごめんね、と言っても、なのはは怒るか悲しい顔をするだろう。名前を呼ぼうとして、けれど言葉を飲んで。フェイトは昔のように、うまく話が出来なくなったことに気が付いた。それは多分、自分が変わってしまったからなのだと、フェイトは小さく手を握る。

それと同時に。恐らくやや後方を歩いていたシグナムも気が付いたようで、ほぼ同時に顔を上げて、目が合った。それが合図のように。


「フェイトちゃん?」
「……追手が来てる。」
「えっ」


ぴたりと歩く足を止めて、フェイトは軽く、なのはの体を前へと押した。自分との距離をとるように。


「フェイトちゃ…」
「はやて、なのはをお願い。私とシグナムで対応するから。ヴィータは皆の護衛を。」
「……二人とも、すぐ合流してな?」
「了解。はやて、歩く速度は落とさないでね。」


目で了解の合図をヴィータから受けて、はやての言葉に頷いて、シグナムに視線で合図する。その間、なのはと視線を交わすことはなかった。名前を呼ばれたけれど、フェイトは気が付かないふりをして背を向けたのだった。








「……いいのか?テスタロッサ。」
「何が?」
「せっかく再会したというのに、随分素っ気無いようだが?」


そう言って少しだけ笑うシグナムに、フェイトは少しだけ敵を迎える緊張を解して、肩を落とす。


「良いんだ。これで。」


久方ぶりに会ったなのはは、昔と変わらない瞳をしていた。綺麗で、どこかまだあどけなくて幼いような。けれど自分は。


「私は随分変わってしまったから。」
「……後悔しているのか?」
「まさか。」


力が無くては何も守れない。それは身をもって知った事だった。


「後悔はしてない。…絶対に。」


なのはを取り戻すことができた。それだけで、後悔なんてするはずがなかった。


「……来た。」
「五人か…思ったより少ないな。」
「様子見でしょ。油断してやられたりしないでよ?」


視線を交わして合図で同時に、気配を感じて動く。右方と左方へ別れてシグナムと挟み撃ちをするように。下げた剣を握りしめてフェイトは駆けだした。雨と、夜の闇に紛れて敵兵と距離を詰める。鋭く呼気を吐き出して、そのまま息を止めて、陰から飛び出して一太刀振り上げる。正確に距離を読んで、正確に急所を突くその一撃に、見知らぬその兵士は声も上げずに絶命した。


「……は、」


次いで、もう一人。の奥で、シグナムが敵兵の一人と応戦している様子が伺えた。それよりも自分に向かってくる兵の攻撃を受け流し、避ける。さっきの兵士よりも動きが鈍く、力強さもあまりない。どうやらフェイトより身体も小さく、恐らくは子供なのだろう。ほんの少し、フェイトは唇を噛んだ。──が、見逃すつもりはない。敵であるならば、容赦はしない。躊躇いを捨てて、フェイトは向けられる剣を弾く。同時に、シグナムが相対している敵兵を倒したのが見えた。


「……ッ」


よそ見していた瞬間、先ほど弾いた剣がもう一度。自分へと向けられて、寸でのところで躱す。ほんの少し相手の刃が頬に触れた瞬間、頬に熱が走った。子供とはいえやはり敵。油断すれば自分の方がやられる可能性がある。フェイトはほんの少し眉根を寄せた。自分が斬られるくらいならまだ良い。──が、万が一にもなのはに害を及ぼすのなら、それは絶対に許さない。

瞬時に今一度向けられた剣を、自分の剣で受け流し、胴に蹴りを入れた。それから姿勢を崩したその敵兵の腕を蹴り上げ、腕を蹴られたその子供のような兵士は衝撃に剣を離した。


「ごめんね。」


なるべくならば一撃で。苦しまずに済むように、と振り上げた剣は。


「駄目だよ!フェイトちゃん!」


突然叫ばれた、そんな声に阻まれた。


その声に心臓が跳ねた気がした。何故ここに居るのかと、剣を落としそうになる。敵を倒すところ、人を殺すところを一番見られたくない、知られたくない人に知られたという思いだけがその瞬間脳を占めていて、隙をついて目下の敵が逃げたことすらフェイトにはどうでも良かった。


「……どうして、こんなところに」
「それよりどうしてこんな…」


手に持った血に濡れた剣を一度見て、悲しそうな顔をしたなのはに、フェイトは目を閉じる。


「別に…やらなきゃやられるだけだし…」


苦笑を浮かべて、けれど視線を向けずにそう言うとなのはが胸元で手を握ったのが見えた。他の敵兵はシグナムが片付けたらしく、その場はひっそりと静まり返っている。


「だって、さっきの子…子供だったのに」
「だとしても、敵兵だったよ。」


ばっさり言い捨てるとなのはは少しだけ泣きそうな顔をした。折角会えたのに、やっとの事で助け出せたのに、どうしても苛立つ心が抑えられず、深く息を吐く。そんな顔をさせたいわけじゃないと思っても、フェイトには言葉がなかった。


「あー、堪忍。フェイトちゃん…ごめんな。」
「……はやて。」


そんなところで、間に入るようにはやてが遅れてやってきた。はやてはなのはのことを追って来たようで、なるほどなのはが勝手に抜け出してきたのかと、ほんの少し昔のお転婆だった彼女の事を思い出した。


「ほら、二人とも、ひとまず進まな。…追手を逃したんやったらまずい。」
「ごめん。」
「ええよ。無事だったんやし。雨も止んできたし、少し向かったところに小さい湖があったから、ひとまずそこに行こう。…シグナムも、それでええな?」


無言で頷くシグナム。はやては少しだけ俯いたなのはを引き連れて、その場を後にする。フェイトもシグナムも、何も言わずに少しだけ重たい空気の中その場を離れたのだった。



















敵兵の追っ手を追い払って数刻、フェイト達は、はやてが言っていた湖畔へと辿り着いた。注意を払って追っ手が近くにないことを確認して、暫しの休憩を取ろうという提案。その間フェイトはなのはと視線を交わすことも言葉を交わすこともしなかった。なのはの方は、何度かフェイトへと視線を向けていたようだったが。


「ちょっと休憩しよか。」
「……。」


無言でいるフェイトへと視線を向けて、はやてが続ける。


「フェイトちゃん、水浴びて来てもええよ?」
「ん。」


血の匂いが残ることを気にして、フェイトへと向けた気遣い。フェイトは少しだけ困った顔をした。


「ついでに、この間の怪我のとこギンガに看てもらい。」
「もう大丈夫だよ。ほとんど塞がってるもの。」
「良いから。頬も怪我してるし、ほら、行った行った。」
「あ、…もう。」


ぐいぐいと背中を押されて。押しに弱い性格故か、フェイトは渋々湖へと向かったのだった。言われたギンガを引き連れて。


「さて、と。」


フェイトは、「怪我」という言葉に向けられた酷く心配そうな視線にはどうやら気付かなかったようで、代わりにはやてが言葉を掛ける。


「なのはちゃん、お腹空いてない?」
「う、うん…あの、フェイトちゃん、怪我って…」
「ん?あぁ、城に着く前にな?」


少しだけ。と続ける。いつも生傷絶えないフェイトの話を、少しだけした。なのはから気をつけるように言われたら、多分本当に最優先事項で気をつけるだろうと少しだけ冗談交じりに。


「あのな、なのはちゃん。…さっきの事なんやけど」


それから、口を挟んで良いものか分からないが、はやては少しだけ諭すように、昔話を聞かせるような口調で話し始めた。フェイトの話を。


「フェイトちゃんが敵を斬るのは、嫌?」
「嫌っていうか…」


嫌なわけではない。ただ、昔の彼女からは考えもつかなかった。剣を握るのでさえ嫌がった彼女が人を斬るなど。


「フェイトちゃんが初めて人を殺した時、フェイトちゃん暫く眠れなかったんよ。」
「えっ」
「……食事もとりませんでしたね。」


はやての言葉に補足するように、やって来たシグナムが続けた。


「そや。あの時は酷く心配したなぁ。」


苦笑して、そのまま話を続ける。フェイトが今まで経験した話を。フェイトの気持ちを。


「ずっと、なのはちゃんのことだけを考えて来たんよ。」


あれほど他人を傷付けたくないと言っていた彼女が、誰をどれだけ傷付つけることも厭わないと言った事。何を代償にしても、どんな地獄に落ちても構わないと言ったフェイトのこと。


「だからまぁ、フェイトちゃんの事、許してあげてな?」
「やらねばやられると教えたのは私だ。」


すまないな、と続けられたシグナムの言葉になのはは首を振る。知らなかった。容易に想像がつくそんな話を少しも想像すらしていなかった自分を、なのはは恥じた。自分が軟禁されて居る間。何もできない数年間。フェイトがどんな思いで過ごしてきたか。彼女が生きていた喜びでいっぱいで、その後の話を知らなかった。


「…フェイトちゃんに、謝らなきゃ。」


言いようのない切なさが胸をしめて、なのはは少しだけ苦笑して立ち上がる。それからはやてが教えてくれた、方向へと進んで、言いようのない気持ちを抱いたまま。

なのははフェイトの元へと向かったのだった。












続。




続くかわからないけれども




テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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