masquerade

更新しますね(ノ)・ω・(ヾ)

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どんな人においても、一度は自分の生まれた環境とは別の生活をしてみたいと、そう思った事があるんじゃないだろうか?特段、今の生活が嫌というわけではない。…いや、少しは嫌な時もあるけれど。

ただ、私、フェイト・T・ハラオウンは中々の特殊環境で日々生活している為、正直そんな気持ちが少しだけあったりした。


「フェイトちゃん、今ちょっと大丈夫?」
「……あぁ、はやて。来てたんだ。」


物思いに耽る中、ノックの後、扉越しにそう声をかけられて、大丈夫だよ、と小さく返事を返すとはやては「ありがと」と言って、私の部屋へとやってきた。

部屋にやって来たはやては私の幼馴染で、数少ない友人の一人で、それから今では「お世話役」という立場に位置付いている。子供の頃から側にいて、多分城内では一番心を許せる存在だ。…家族を除いては。

私、フェイト・T・ハラオウンは、このアルハザードという国の王族の血を引いている。…というか実は兄が王の仕事を担っている。つまり王族だ。


「浮かない顔してどーしたん?」
「え。…あ、いや。……なんていうか。」
「お仕事しすぎなんやない?」
「私はそんなに大した事してないから…クロノのお手伝いくらいしかしてないし。」


激務という程の仕事量ではない。実際は兄の仕事の補佐の方が殆どで。ただ、何というか。こんな事を言うのは相手がはやてだからで、他の人には決して言うつもりも無いのだけど。


「最近少し、城が窮屈で…」


苦笑してこぼした愚痴ともとれる言葉。城は大きく庭も広い。なれど、そこは私にはどうしても窮屈で退屈なのだ。或いは取り巻く環境のせいかも知れない。大臣や貴族の向ける視線。年頃と言うせいもあるかも知れない。婚約の話を、あれこれされるのは。…勿論、そんな人達ばかりなわけでは無いけれど。


「あー、わからんでもないけど。」


くくく、と笑ってはやてが頷く。その笑いに、なんだか居心地が悪くなった気がした。


「大変やね、お見合い相手が多くて。」
「……わ、笑い事じゃないよ。」


皆、私を王族の血筋として見る。勿論それは当然のことなんだけど、はやてのように友人として接してくれる人はあまり多くなくて、それを求めることはしてはいけないと分かっていても時々孤独感がある。あとは、婚約の話とか。やれ自分の娘を、息子を、などと。


「フェイトちゃんは、王族とか差し引いてもモテるから」
「まだそういうの、するつもり無いんだけどなぁ」


自分にはまだ早いと思う。現に母も兄もえらく反対していたし。まだ未熟だし、それよりももっと他に学ぶ事がある。そういうとまたはやてが笑った。


「あの二人のおかげでお見合い話もえらい減ったやろ」
「少しね。…母さんもクロノも心配性だから」
「かなり心配性やし、なんなら過保護やね。」
「うん…。」


そんなに心配しないでと言っても、なにかとあの二人は心配するわけで。だから私は、本当はとても幸せなのだ。窮屈だとか孤独感がどうとか言うのはどちらかといえば、ただの私の我儘。なのに、そんな私の我儘に。


「フェイトちゃん、実はな…」
「うん?」


はやてが言葉を続けた。


「誘おうか迷ってたんやけど、連れて行きたいところがあるんよ。」
「どこに?また書庫?…あ、紅茶でも淹れようか。」


そう言って立ち上がり、部屋に備えられた紅茶を二人分、淹れる。はやてはその間続きを言わず、私が席に戻るのを待っていてくれた。


「お待たせ。…それで?どこに行きたいって?」
「うん。実は舞踏会なんやけど」
「やだ。無理。無し。」
「はや!」


舞踏会なんて嫌な思い出しかない。はやてが言い終える前に、私は首を振った。舞踏会はなんて言うか、こわい。主に女の人たちが。思惑が混じり合うそんな魔の巣窟のイメージ。


「いや、違うんよ。」
「……なに?」
「城の外。城外の舞踏会なんやて。」
「…城の外でも舞踏会ってやってるんだ?」


あんな金持ちの遊びみたいなくだらない集まり。と悪態を吐くと、はやては紅茶に口をつけて、小さく咳払いして続けた。


「遊びは遊びでもこっちは別。」
「というと?」


勿体ぶった言い方に続きを促す。


「仮面舞踏会って知ってる?」
「あんまり…。」


仮面舞踏会。噂で聞いた事があるくらい。身分と顔を隠して集う舞踏会。本当にそんなものやってたんだ、と思う程度。悪い火遊びのようなイメージもあるけど、その他に、単純に貴族の肩書きに疲れて人が息抜きをする場にもなっているらしい。


「どんな人が来るの?」
「勿論貴族もくるし、あとは平民も居たりするよ。」
「………行ったことあるの?」
「何度か。」


はやての交流の広さはそういうところにも通じているのか、と少し納得した。


「…という事で、ちょっと行ってみたくない?」
「うん。…そうだね、ちょっと興味はあるかな。」


そう言うと、はやては少し意外そうな顔。


「…はやてが誘ったんだよ?」
「あ、いや。珍しなって。」


よほどストレス溜まってたんやな、なんて言ってはやてが笑う。それから聞いたその仮面舞踏会の幾つかのルール。何でも、舞踏会の会場に入るには合言葉のようなものがあるらしい。これははやてが教えてくれた。次いで、身分や素顔を伏せること。例えその人の身分に気が付いても、気付かないふりをすること。その辺はなんだか面白い。他にも色々あったけどその辺は色ごと関係なので、あまり聞かなかった。


「じゃあ早速やけど今夜。」
「え?今夜…?」


その前に城を抜け出せるだろうか、という疑問は「リンディさんには許可もらってるから」なるはやての言葉に終わった。何故許可が貰えたのかは全くの疑問だし、いつの間に?という疑問もあるけど。そんなわけでは都合よく。私ははやての誘う仮面舞踏会なるものへと向かうことになったのだった。















はやてに渡された、仮面舞踏会に参加するための素顔を隠す仮面は、思いのほか小さいというか目元しか隠れない仮面。もっと全体的に隠すのかと思ったけど。


「口元まで隠すとなんや出来ない事があるとか無いとかそんな暗黙のルールがあるらしくてなぁ。」
「出来ない事?」


別に画面に覆われてても話せるし、不足はないのでは?と首をかしげる私にはやては笑う。


「ほら、接吻とか」
「……」


面白そうに言ったはやての言葉に、一瞬固まる。
大人の遊びというか、色事の遊びで行われた仮面舞踏会の名残、というかなんというか。今ではそんな事はないらしいけど、なんとなくそれ以上言葉を続けるのをやめた。


「あんまり遠くまで行かないでな?」
「うん。はやての視界に入るとこに居るよ。」
「いい人見つけたらしけこんでも…」
「はやての視界に入るとこに居るったら。」


面白そうに笑うはやてにそう言って、私は舞踏会の会場へと足を踏み入れた。どうやらこの舞踏会は本当に無礼講らしい。もしくは私のことを知る人があまり居ないのか、私みたいな人間がこんな所に居るとは思わないのか。あまり期待していなかったけれど、その実、大変興味深くて面白い場所だった。

色んな人と色んな話ができる。勿論、私に気付いて、私のことを知ってて寄ってくる輩も少なくはないけれどそれ以上に知らない人が多くて中々楽しかった。──とはいえ、多少の疲労感はある。人の多さに酔ったという事もある。何となく、ふらふらと。人の波を少し避けて、外の風に当たりたくてバルコニーに抜けた。勿論、はやてにはその旨を伝えて。






けれど、誰も居なそうなその場所にはすでに先客が居て、私の足音に少し驚いたように振り向く。目元を隠した仮面、揺れる亜麻色の髪。目が合ったと思った瞬間、何故かわからないけど、無意識に胸元の服を掴んだ。


「あ…えと、お邪魔してすいません。」


一瞬時が止まったような気さえして、それから思わずそんなことを言って背を向ける。何となく邪魔しちゃいけないようなそんな雰囲気だったから。もしかしたらこの人は一人で居たいのかも知れないし。


「いえ、考え事してただけなので、大丈夫ですよ。」


だけど、良かったら座って、なんて穏やかな優しい声。どうしてか分からないけど、妙に気持ちがそわそわした。ただ近くに座っただけなのに。


「どこか具合でも?」
「えっ、…あ、いや…あまり慣れてなくて。」


こういった場には慣れていない。単に遊び慣れてないだけなんだけど。そう苦笑すると、その人も少し笑う。


「私もちょっと、苦手で。」


舞踏会がという意味だろうか。仮面の奥に見えた瞳の色はとても綺麗な青い色だった。私の「あまり慣れてない」という言葉にほんの少し、警戒を解いてくれた気もした。


あまり言葉を交わしていないのに、その人の発する空気が何となく心地良かった。少しの間近くに座っていただけで、僅かな時間他愛もない話をしただけ。


「あの……」
「どうかしました?」
「あ、いや。…ここは静かですね。」


ホールと違ってと言うとその人は少しだけ可笑しそうに笑った。私より少し年上だからだろうか?雰囲気が落ち着いているような気がするのは。


うっかり名前を聞きそうになってしまった。
勿論、名前を聞くのはタブーで。
その人が何者なのか詮索する事もいけなくて。
また会えるかどうか聞くことすら許されない。



どこの誰とも知らない、素顔も知らぬ彼女の事がもっと知りたいと思う。舞踏会の眩しさを他所に、月明かりに見たその人が何となく儚げで美しくて。


その時は、何の自覚もなかった。
身を焦がす熱情に溺れるなんて思いもしなかった。
そんな激情が自分の中にあるなんて、知らなかった。

その時は、未だ。










FIN.






顔も知らない婚約者がいて憂いを帯びた謎多きなのはさんと仮面舞踏会で出会ったフェイトちゃんと、舞踏会の外で会ったらなのはさんに拒否られるフェイトちゃんと仮面舞踏会でしか会えないもどかしさと若さと情熱と。

ハマりにハマっていくフェイトちゃんとそれを宥め止めるなのはさんと愛と葛藤の仮面舞踏会。



続きはWEBでどうぞ( ◔ д ◔ )!



思ってるように書けない自分の文才の無さが憎らしいほどにとても妄想は熱いです。表現できないのが口惜しいでした!(完)





テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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初心者ですが宜しくお願いしますorz
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