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この出逢いに感謝を込めて 最終話

ラストです。

ネットが切断される前にうpで着てよかった。
それにしても、なんだかんだで長かった。 web拍手 by FC2






突入して、20分弱。

私は捜査官の人たちと
別ルートで母さんの居場所へと向かっていた。
指示はリンディさんがくれるから
私はその通りに作戦を進めた。
…リンディさんは、
怪我の所為で今回は作戦司令部。
そして懐かしい扉の前に立つ私。
案外、あっさりと母さんの
部屋の前に着いちゃったな…。
こんなに簡単に…?


『フェイト、罠の可能性があるから…気をつけて』
「了解…。」

きっと、罠だろう。
母さんの部屋の前には、
ここに来るまでにも誰も居なかったし。
捜査官の人たちの方に全員行ってるのかな?

思え、ば母さんに会うのも久しぶりだ。
記憶が無い間、少しだけ考えた事があった。
私の母さんはどんな人だろう?
私の事、心配してたらどうしよう、とか。
まぁ、そんな心配は無用だったけど。



―、ギ…


重い扉を、ゆっくりと開く。

その先に

「母さん。貴女を…止めに来ました。」

誰よりも大切だった、母さんの姿。
たとえ愛されていなくても
私にはたった一人の母さんだ。

「フェイト…」

久しぶりに聞いた母さんの声は
恐ろしく冷たかった。

「貴女を、逮捕します。」

思ったよりも通った声が出た。
本当は、逮捕なんてしたくない。
だけど、これ以上の罪を重ねて欲しくはないから…

「もう遅いわ…フェイト。」

だけど母さんは、
ふ、と嘲笑を浮かべ、
はき捨てるように言う。

「遅くなんて無い。
これ以上、罪を重ねないで下さい…」

搾り出すように言うと
またも母さんは笑う。いや…
微笑んだ。冷たい目をして。

「…そうじゃないわ。
もう遅い。…みんな、死ぬのよ。」

そう言うと母さんは手元に隠していたリモコンのスイッチを、躊躇いもなく押し込む。


「…母さん!何をっ!?」

「…あと五分。」

そして、クスクスと笑う。
初めて母さんの笑うところを見た。
誰よりも笑って欲しかった人…
でも、そんな風に笑って欲しくない…

「ッ、!全員、建物から退避して下さいっ!」

皆、あと五分で脱出できるだろうか?
マイクに…リンディさんに向かって叫ぶ私。

『どうしたの?』
「建物が爆破します!リミットは五分です。」
『フェイト、貴女も早く―!」
「分かってます。絶対帰りますから
それまで、なのはをそこに縛り付けて置いてください。」

なのはにこの事を言ったら
本気で迎えにきそうで恐いもんね。

「―…母さん。一緒に来て下さい。」

差し出したこの手は
きっと、とって貰えない。
それでも差し出す私はさぞ滑稽だろう。
でも、母さんには罪を償って欲しい。

「フェイト」
「母さ―…」

「失せなさい。目障りなの。」

ズキンと、胸に刺さる言葉。
やっぱり私は愛されてなんて無い、か…

「母さんが死ぬ気なら…」

でも…それでもいいや。
私は母さんの子供だから―…

「私も、一緒に償ってあげます…此処で。」



『フェイトッ!?何を―…』

ブチ、と無理矢理マイクのスイッチを切る。
ごめんなさい…リンディさん。


「笑わせないで頂戴。」

そこで母さんが、呟いた。

「母さ―…」

ゴホッ、

その瞬間に、母さんが咳き込む。
口元を押さえる手の指の間からは
赤い雫が滴って、床に染みを作る。

「母さんッ!」

私は慌てて駆け寄って手を伸ばした。
だけど、その手は払われて、空を切る。

「良く聞きなさい、フェイト。」

口元を拭った母さんは、
真っ直ぐに私を見据えて―…

「貴女の顔を見るのも、不愉快なの。」

そして、
静かに口を開いて続ける。

「消えて頂戴。何処なりと。」

私は、そこまで疎まれていたんだろうか。
ぐっと、拳を握って…だけど、目は逸らさなかった。

「母さん。…私は…」

ズズ、と怒る地響き。
どうやら爆弾を設置したのは地下…
地響きはやがて、揺れに変わって―…
辺りに天井の破片が落ち始める。

「フェイト。這いつくばって生きるといいわ。」

それは、どういう意味?
死ぬなという事ですか?…母さん。
その言葉の意味を捕らえる事が出来なくて
立ち尽くす私に、母さんが手を伸ばす。

と同時に、さっきまで立っていた場所に
瓦礫の山が出来た。
私は、誰かに押された衝撃で
その瓦礫の半歩後ろに立っている。

「母さん…?」

押したのは、紛れも無い母さんで…。
私の目の前には瓦礫。
母さんの姿は見えない。

「―…母さんッ!」

どうして、助けたの?
母さんは、私を疎んでいて…
だけど、最後には私を助けた…?
最期まで分からなかった。
…頭が回らない。

母さんが多分…
瓦礫の下敷きになってしまった事と、
さっきの衝撃とでほんの数秒思考が停止した。


―…フェイトちゃん


「なのは。」

そして
その瞬間、心に浮かんだのは
自分の大切な人の声。


『…約束だよ?何があっても
私のところに、戻ってきてね…?』


いつか、病院で交わした約束。
母さんは、這いつくばってでも生きろと言った。
どういう意味かなんて今ではもう分からない。
私が都合の良い様に思ってるだけかもしれないし。
さっきまでは、母さんと一緒に
死んでもいいと思ったけど…

そんな事、どうして考えたんだろう。
なのはと約束したのに。

なのはが待ってるのに。

「…リンディさん。」

その場を走り出した私は、
再びマイクのスイッチを入れた私は
もう一度、呼びかけた。

『フェイトちゃんっ!』

けど、通信の相手は…なのは?
しかもこの声は凄く怒ってる。

「な、なのは?」

無数の瓦礫が砕け、落ちて
建物が揺れているような気がした。
それでも、マイクに呼びかける。

『フェイトちゃん。帰ってこないと本気で怒るよ。』

…もう怒ってるでしょ?
こんな時なのに、クスクスと笑いが零れてしまった。

「すぐ、着くよ。」

若干、瓦礫の破片とか
ガラスとかが当たって体中が痛い。
それに、この間クアットロに刺された所も痛い。
けど、まぁ…そんな事
気にしてなんかいられない私は
一気に階段を駆け下りた。
でも、世の中そんなに簡単にはいかないもので
階段は途中で崩れて塞がれていた。

そして考えに考えた挙句、
窓から飛び降りる事に。
だけど…いくら訓練してたって、
3階から飛び降りるなんて無茶すぎる訳で。
私だって人間だし、絶対無事着地!なんて
うまい事行くはずなんてない。

だけど、これしか道がないんだもん…
どうか生きていますように。と祈って
近くの木をクッションにしようと
思い切って飛び降りてみた。







◇◇◇






「…ッたぁ……。」

生きているのはありがたい。
非常にありがたい。
だって、またなのはに
会えるし怒られなくて済む、と思う。

だけど…痛すぎる。
右足が尋常じゃなく痛いし、
ピクリとも動かない事から察するに
折れてるんだろうな。

不幸中の幸いだけど、痛い。



「ッしょ…っと…」

かろうじて無事な左足だけで
右足を引きずるようにして歩く。
司令部まではもうすぐ。

なのは…怒ってるかな…。
どうやって機嫌直して貰おう?
マイクは途中で壊れて
繋がらなくなったし…

途中、何人かの捜査官に声を掛けて
司令部まで肩を貸してもらって
それから連絡をしてもらった。
そして、…もっとも緊張する瞬間。


「フェイトちゃんッ!」
「…なのは…怒って、る?」
「…怒ってないはずがないでしょ?」

静かに言うなのはだけど。
その声は異様に低い。
というか、恐い。

「ごめんなさい。」
「…。」

無言はやめて欲しい。
物凄く恐いから。

「…―た。」
「ぇ?」

なのはが凄く小さい声で呟いたから
もう一度聞き返そうとして
なのはの顔を覗き込む私。

「帰ってきて、良かった…」
「なの、は…」

蒼い瞳には大粒の涙を溜めて…
物凄い勢いで抱きついてくるなのは。
その衝撃で、右足が
死ぬほど痛かったけど我慢した。
だって、好きな子を
抱きとめられないなんて格好悪いから。
…その後、『どうして早く言わないの!』
って怒られたけど。





「ねぇ、なのは。」
「うん…?」

暫くして、私の応急手当を
して貰ってから落ち着いた後、
2人で少し散歩をした。
…と言っても私は怪我していたから
遠くへは行けず、
(…本当は動くなって言われてたんだけど)
外に出て話しただけ。

「私、捜査官になろうかなって思う。」

きっとなのはは反対するだろう。
だけど、私はこんな悲しい事件が
少しでも減るようにしたいんだ…。

「…。」
「それで、その…あ、あの…」

それからもう1つ決めた事。
なのははなんて言うかな…。

「?」

急に口ごもる私に、
不思議そうな顔のなのは。

「試験に受かって捜査官になれたら、
その…結婚、とか…して欲しいな、と。」

もちろんなのはが
大学を卒業してから!

と付け加えて、
…これってプロポーズだよね?
これはなのはに過去の記憶を話して
それからずっと考えていた事。
もし、この事件を無事解決できたら、
言うつもりだった事。

ドキンドキン、と胸が鼓動する。
けど、なのはは無言で俯いている。
…やっぱり、ダメかな…?

しばらくしてからなのはが口を開いた。

「…ち、ちゃんと幸せに…してよ?///」
「も、もちろんっ頑張るよ!」

顔を上げたなのはは、
私に負けないくらいの真っ赤な顔。

「それと、捜査官は応援するけど…
今回みたいに危険なのはダメだよ?」
「…う、うん…。」

でも捜査官って基本は危険な気が…。
まぁ、これは黙っておこう。

「んー…違うなぁ…。」

でも、なのはは顎に指を添えて
ブツブツ言い始めた。

「なのは?」
「決めたっ!」
「…どうしたの?さっきから。」

そして決意したような、
納得したようなすっきりした顔で

「私も、捜査官になる!」

何とも恐ろしい発言をした。
絶対、ダメ。危ない。

「だ、ダメだよ!」
「ふぇ?何で?」
「あ、危ないし、危険だよ!」

「…どっちも一緒の意味だよ、フェイトちゃん。」

クスクス笑うなのはが憎らしい。
私、真剣なんだよ?なのは。

「なのは、冗談でしょ?」
「本気。」

それから笑顔で言葉を続ける。

「私、今回は見てるだけだったけど
…思ったの。私だって、こんな悲しい事件無くしたい。」

それから、と更に続けるなのは。
私が口を挟む暇も無い。

「それから、私も捜査官になれば
フェイトちゃんが危ない時は
助けてあげられるでしょ?」

…ね?と
嬉しそうに微笑むなのはに
思わず苦笑してしまった。

「なら、私もなのはを助けるよ。」

そう言えば、満足そうに微笑む。
その笑顔が眩しくて、私も微笑む。


空を見上げれば、いい天気。
肌寒い空気が少し心地よくて…

そして、

「なのは。」
「なぁに?フェイトちゃん。」


風邪に靡く亜麻色を捕まえて、
もう一度、感謝を込めて囁いた。





「君に出逢えて、本当に良かった。」













それから数年後、
数々の事件解決に大きく貢献する
2名の捜査官の姿が見られるようになる。
その2人の左手の薬指には
お揃いの白銀の指輪があった、とか。






















◆言い訳的、あとがき◆

あの、本当にこんなに長くするつもりは無かったんす。
なのに、こんなに長くなっちゃったorz
ここまでお付き合い下さいまして
本当にありがとうございました。
その…、…すいませんでしたorz

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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