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月に願う ―幼い日の思い出―

いやぁ、ネットが繋がってると
やっぱり書いてしまいますね。SS。
週3で更新したいとか言っておいて、
全然出来てないじゃないか自分ッ!

今回はパロで。

フェイトちゃん視点
→なのはちゃん視点 web拍手 by FC2






月明かりが照らす亜麻色の髪。
とても美しいと思った。

そして、月に願った。
どうか、もう少しだけ…
もう少しだけ、
私だけの姫君でいてくださいと。




『月に願う ―幼い日の思い出―』







夜空の星がいくつあるのかなんて興味は無いけれど、
特に仕事も無く、することも無かった私は
屋敷の縁側でぼんやりと星を数えていた。
そんな時、後ろから名前を呼ばれて振り向く先に。


「フェイトちゃんっ♪」

侍女もつけず、
通路をトタトタと駆けてくるなのはの姿。

この屋敷の次女姫であるなのは。
1年前、城下町に捨てられていた私を
見かけて屋敷で働かせてくれたのも彼女。
…丁度、町を見学に出かけた時の事だったらしけど。

それから、この城の主とその奥様が
『なのはと年も近いし、遊び相手になってあげてね』
と言ったから私はここに居る。
もちろん仕事はしてるけどね。
一応武術には長けているので、
お付兼、遊び相手兼、護衛…なのかな?
良く分からないけどそんな感じで働いている。


「姫様。そのような格好で…。」

寝巻き姿の彼女を諭すように優しく注意すると、
なのはは『またか』、といった感じにため息を吐いた。
9歳になったばかりとは言っても、
一応、姫様なのだから、
もう少し礼節というものを学んで頂きたいんだけどな…。
やがて、いつかは…妃として…他国に行くのだから。

その時、私は上手に笑えるかな…?
…2つも年下の、それもお姫様にこんな感情を抱くなんて
それも、自分の主に対して……


「もうっ!最近フェイトちゃんお母さんみたいだよっ!」

一瞬だけ、暗い思いに囚われて
俯いていた顔を上げると目の前には
眉を吊り上げて、蒼い瞳でこちらを見る彼女。
怒っているというよりは、拗ねている…に近いかも。


「前みたいに、なのはって呼んでよっ」
「…ダメです。私はもう11歳になりましたし、それなりに立場をわきまえ―…」

だけど、私の言葉に見る見るうちに
不機嫌な表情になった彼女は
ジロリ、と目を据えて私を一瞥すると、
一言だけ、こう言ったのだ。


「…じゃあ、命令っ!2人だけの時はなのは、ね?」
「…承知致しかねます。」
「怒るよ…?フェイトちゃん。」
「……分かったよ。なのは。」

結局折れたのは私だった。
その代わり、人がいる所では『姫様』だよ?と
少々文句を言いながら。…結局、私も甘いんだよね。
なのはの笑顔には適わない。
私の大切なお姫様。

私の答えに満足したなのはは、エヘヘ、と微笑んで
それからくるりと身を翻して、おやすみの挨拶。
もしかしてわざわざソレを言いに来たの?
…だとしたら、嬉しいけれど。


「お休み。…なのは。」

もう姿の無い彼女に出来る限り優しい声で
私も挨拶を返す。
私は、このままなのはの側に居られれば幸せだ。
侍女としてではなく、護衛のままで。


「…大好きだよ、なのは。」

肺一杯に、夜の空気を吸い込んで、
星空に囁いた想い。
この気持ちはいつだって、彼女ではなく夜空に。
その言葉は風に攫われて、
きっと夜空にも届きはしないだろうけれど、
それだけで良かった。満たされていた。



そうして数週間後、私は蜜命で
隣国へ行くことになる。
もちろんなのはの側を離れて。
これは私の武術の能力を買われての事。
そして、隣国の不確かな情報…
この国を狙って密かに武力が
集結されているという情報が入ったから。


「…この命、お受けします。」

隣国の外れで、密かに情報を収集する。
もちろんそこにはこの国の軍もいる。
危ないことなんて無い。
だけど、何年掛かるかなんて分からない。
何年もなのはと離れ離れになるなんて…
だけど、これで良いんだと言い聞かせて
私は、命を受けた翌日、



この国を出立する事にした。






◇◇◇






フェイトちゃんにお休みの挨拶をして、部屋に戻る途中


「あっ、フェイトちゃんにお休みって言ってもらってないっ!」

わざわざお休みを言いに言ったのに、と。
そう思って、だけどフェイトちゃんを驚かせようとおもった私は
こっそりと戻ってきた通路とは別の道から
フェイトちゃんの方へ戻って、襖の後ろから盗み見する。


「お休み。…なのは。」

私がさっき戻っていった方に向かって
静かに優しく言った挨拶。
凄く、凄く心地良い声。

私はフェイトちゃんが大好き。
いつも優しくて、守ってくれて…時々うるさいけど。
初めて会ったその時から好きだったのかな。
だから、お父さんとお母さんにわがまま言って…
でも、フェイトちゃんは何をやっても、
凄く上手だったからあっという間に私の護衛を任されちゃった。
…本人は『遊び相手って事かな?』なんて言ってたけど。
思い出し笑いしそうになって、慌てて口元を押さえる私。



「…大好きだよ、なのは。」

そこで、空を見上げたフェイトちゃんがまた呟いた。
さっきよりも優しい声。
…本当は、フェイトちゃんの気持ち、知ってるんだよね。
以前も、何度も…そう呟いていたから。
だけどいつでも言う相手は空なの。
だから、私も…聞かなかった振りをする。
それだけでも心が暖かくなっちゃうから。

私も大好きだよ。フェイトちゃん…

私よりも2つ年上のフェイトちゃんは、
綺麗な金色の髪を流して、夜空を見上げていた。
きっと暫く見ているんだろうな。
私は、フェイトちゃんに声を掛けず、
そのままその場所を後にした。




そして、それから暫くしてからの事、
朝早くに、フェイトちゃんがちょっとだけ悲しそうな顔で
私の部屋にやって来た。
普段は呼ばないと、フェイトちゃんは
私の部屋には滅多に来てくれないから
その時は凄く嬉しかったんだ。


「フェイトちゃん♪どうしたの?」
「早朝に申し訳ございません。…少しだけ、
お時間…宜しいでしょうか。」


むぅ。

やっぱりこの話し方はあんまり好きじゃない。
子供の我がままって言われちゃうかも知れないけど、
でもフェイトちゃんは私の、従者…だよね?
この言い方は好きじゃないけど。
だから、そんな事気にしないで欲しいのに。
そう思って、私はお部屋にいる人に少しの間
別の場所へ移動してもらう事に。


「…どうしたの?」

もう一度、首をかしげると
フェイトちゃんは優しく微笑んだ。


「うん。あのね、なのは―…」


そして、フェイトちゃんは話を始めた。
これからお隣の国に出発すると。
それから暫く帰ってこないって事。


「っやだ!やだよ、フェイトちゃんっ!」
「な、なのは…。」

こんな事、凄く我侭だとは分かってる。
幼いながらにも、これは大切なお仕事だ、と。
だけど、だけど…
私はフェイトちゃんと離れたくなんて無かった。


「いやだよっ…」
「なのは。我侭言っちゃ、ダメだよ?」
「だけどっ…フェイトちゃんは私の…っ!」
「少しの間だけだから…ね?」

優しく諭すような、そんな言い方。
私はこのお城のお姫様として、それなりに我慢とか
そういうものを学ばされてきた。
だけど…まだ子供だもん、いいじゃない!
フェイトちゃんは私が連れてきたんだよ?


「なのは…。」

涙でぐちゃぐちゃな私は
もうフェイトちゃんの顔が見えなくて…
ただ首を横に振るだけ。


「なのは。…私が、帰ってくるまでに…」

私の涙を指で払って、
そのまま頬を撫でる感触が心地良い。
どうして、そんなに大人で居られるの?
私と2つしか歳も変わらないのに。


「立派なお姫様になっててね?」

じゃないとガッカリしちゃうから。
そう微笑んで言うフェイトちゃんは、
少しだけ、紅い瞳に涙を溜めていて、
少しだけフェイトちゃんの気持ちが分かった気がした…

あぁ、そっか。
フェイトちゃんだって悲しいよね?
だけど、お仕事なんだもんね…。


「…絶対、戻ってくる?」
「当たり前だよ。だって、私の主人は…なのはだけなんだから。」

少しだけ可笑しそうに微笑んだフェイトちゃん。


「だから、私の全てはなのはの為に。」

そう言って、私にお守りをくれた。
金色の、小さな飾り物。
お母さんの形見だって、昔言ってたよね?


「…じゃあ、立派なお姫様になるから―…」
「うん、約束だ。」
「………約束、だよ?」
「すぐに戻ってくるよ。なのは。」

そう言って、去り際に頬にキス。
初めて触れた感触に、胸が跳ねた。


「ふぇ、フェイトちゃんっ!」
「うん?」
「これ!持って行って…。」

お守りの代わりに渡したのは、私の髪を結ぶ紐。
私のお気に入りの、それ。
だけど、私の代わりに持っていってとお願いすると。
フェイトちゃんは嬉しそうに『承知しました。』と微笑んだ。


立派なお姫様になるから、
もし、なれたその時は、私を攫って。



そう言うつもりだったのに、言えなかった。
言う直前になって、怖くなっちゃった。
私は、このお城の主であるお父さんの娘で…
フェイトちゃんは、私の従者…で…。
きっと身分というものがある。
去っていくフェイトちゃんの背中を見つめながら、
胸が凄く苦しくなったのを覚えてる。


彼女が帰ってくるまでに、立派になる。
その為にたくさん勉強して、いっぱい努力する。

だから、早く帰ってきて。
そう願って、私は
彼女がくれたお守りをぎゅっと握って
フェイトちゃんを見送った。















―そして、8年後。




私は彼女の帰還の噂を耳にする。








続。

大きくなって久々の再開。
収拾つくのかコレ。

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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