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心情 f.

簡単にフェイトちゃんバージョンを更新してみた。同じ夜のフェイトちゃん。

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「それで?」



私と、先輩である彼女の仕事の話は終わり、これ以上の長居は無用と立ち上がりかけたときだった。うすうす予感はしていたけれど…「それで?」と切り出した彼女に苦笑をひとつ。



「何でしょうか?」



とぼけながらに首を捻る。



「食事に来たという事は、考えてくれてると期待して良いのかしら?」



やっぱりね。また心の中で苦笑をひとつ。……私の苦笑に気がついたのか、上司である彼女は押しのひとつに呟きかける。



「後悔はしないと思うわよ?」



艶やかに微笑む彼女。…確かにこの人は美人だし、仕事も出来るし……男性からしても魅力的かつこの上ないような人だろう。でも──…



「ごめんなさい。」



考える時間は要らなかった。



「あら。そんなに高町さんは魅力的?」



くす、と子供に笑いかけるような。決して馬鹿にしているような聞き方ではなく、暗に「私じゃ敵わないの?」と聞く彼女。ワイングラスに口を付けながらそう呟いた。



「……ええ。魅力的です。」
「ふふ。本当に心底惚れてるのね。」
「私を、こんな気持ちにさせるのは……こんなにも私の全てを占めるのは、何処を探してもきっとなのはしか居ません。……絶対に。」



私をこんな気持ちにさせるのなんて、何処を探してもなのはしか居ないと、自信を持って言える。今頃、1人で待ってるのかな……なのは…。


「全く、面白くないわ。……心ここに在らず、ね。」


つまらなそうにワイングラスを指で弾いて、会計の用紙をひらりと奪ったその彼女は「早く帰ってあげなさい」と皮肉そうに笑って席を立った。自分の会計分を出そうとしたら断られた。「あとで後悔しても知らないわよ」と苦笑して。



………なのは、まだ起きてるかな。待っていてくれたらいいけど…。


お店から出て、車にエンジンを掛けたころにはすっかり夜も遅い時間。時計は11時を示していた。急いで帰ろう。……なのはに「なるべく早く帰るね」と約束したのに。そうして、私はアクセルをいつもより強めに踏み込んだ。


















ガチャ──




鍵の閉まった部屋の中は薄暗くなっていて、遅かったかと少しだけ肩を落とす。もっと早く帰ってくれば「おかえり」って言ってくれたのかな。無性に、なのはの顔が見たくなった。……やっぱり、私をこんな気持ちにさせるのなんてなのはだけだ。





「なのは、…ただいま。」




起こさないように小さめの声。本当は起きてくれたら良いのにと少しだけ思いながら。



「寝ちゃったかな?」



……使ってるの、私の枕だ。私の事が恋しくてだとかそんな理由で使ってるのかな、なんて淡い気持ちが脈動する。綺麗に流れる亜麻色の髪に手を伸ばして優しく、起きないように撫でた。



…あれ?


顔が見たくて覗き込むようにした私の視界に入ったのは、雫だった。閉じた瞼から、鼻筋を横切るように微かに光る、跡。



「泣いてるの?」



そう囁いて、ベッドに腰掛ける。どうしよう。キミを守りたいのに、大事にしたいのにキミが泣いている事に微かな嬉しさが生まれてる。……私が居なくて、寂しかったの?なのは……。私の胸の内で音にならない音が、鳴った気がした。……胸が痛いような、痒いような、きゅんとするような。
可愛くて、愛おしくて仕方ないんだ。



「可愛い、なのは。」



起きてるんでしょ?なのは。…寝たふりなんてしないで?



「………可愛いって、どれくらい?」



むすっとしたように。拗ねたキミの呟き。……あぁ、ほんと可愛くて仕方ないんだ。こっち、向いて?…なのは。



「そうだなぁ、私の全てをあげたいくらい。」



言葉でなんて表せないな…。私の言葉に返事も無しで、背中を向け続けるなのはが可愛くて可愛くて可愛くて、抱きしめたくて仕方ない。



「ねぇ、こっち向いて?」



顔を見せて。なのは。



「なーのは。」
「……。」



無視しないで。…可愛いな、もう。



「何でも我侭聞いてあげるから。……ね?」



そういうと、微かになのはの方がピクリと反応した。……聞いて欲しい我侭があるのかな?もう、力づくでこっちを向かせよう。なのはの細い肩を、やすやすと向かせると、むすっとしたなのはの顔が見えた。微かに瞳が潤んでいる。



「…もう行かないで。」



あー、もう。ほんと、どうしよう。そんなに可愛い事言わないでよ。



「妬いてるの?なのは。」



そんな私の言葉に、じろりと瞳を向ける。……私の視線が、なのはの瞳から唇に移った。



「キスしてもいい?」



ぽろりと漏れた私の本音。…別にいつも邪な事考えてるわけじゃない。ただ、なのはが可愛すぎるんだ。……だけどなのはは怒っているのか、ぷいっとそっぽ向く。…でも、点いた火は中々消えはしないんだよ。なのは。



「…ん、…!」



なのはの唇目掛けて、ちょっとだけ強引な口付け。同時になのはの唇からくぐもった声が漏れる。その声が、吐息が、私の炎を激化させるんだってば。…あー、もう。なのはのばか。可愛すぎるってば。



自然となのはの内股に手が滑る。…触れたい。感じたい。欲しい。……我慢の限界、なのはが悪い。



「んんっ!…フェイト、ちゃん!」



だけど私の手に、なのはの手がストップを掛けた。だけど、どう考えたってその表情は誘ってるとしか…思えないよ?なのは。



「なのはを私でいっぱいにしたいんだ。」



私は、いつもなのはの事ばかり考えてる。



「…なのは。」



お預けなんてしないで?…欲しいんだよ。なのは。



「なのは。私の事だけ考えてよ。」



好き。大好きだよ、なのは。いつもいつもなのはの事で頭がいっぱいな私みたいに、もっともっと私でいっぱいになってよ。キミが愛おしくて、仕事も手につかないんだよ?急に押し黙ってしまったなのはの頬に涙の跡を見つけた。……そういえば、聞くのを忘れてた。



「ごめんね。…寂しかった?」



私が居なくて、泣いちゃうくらいに寂しいと感じるなら…それは少なからず、私でいっぱいになってるって事かも知れない。そう思って聞いてみたのに。



体に温かい衝動。……いつの間にか、私の胸に顔を埋めるなのはは、いつもより子供みたい。背中に伸ばされた手が、私のシャツをきゅ、と握り締めた。それから、憎らしげに……だけど可愛らしく呟いたなのはの言葉がはっきりと聞こえた。







「それくらい自分で気が付いて。」








……本当、どうしてそんなに可愛いの?
私は、今夜は離せそうにないや、と苦笑した。










END






テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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なのフェイ信者ですw
初心者ですが宜しくお願いしますorz
あと、一応リンクフリーです(^^);

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