淡恋

拍手お返事遅れててごめんなさい…orzちょぉ、体調不良です…でもSSは更新するお…

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世界には様々な種類の生き物が居る。例えばそれは人間だったり。その他に、もっともっと違った、けれども人に近い生き物が居る。王国だってあるの。例えばそれは、人魚の国とか。


「…………緊張するなぁ。」


私の名前は高町なのは。人魚の世界王国の末の姫である私は、人間の事を勉強する為に人間の世界に留学に来ている。もちろんちゃんと足だってあるの。普段は海深くの王宮でもちろん泳いで暮らしてるんだけど、家の都合で、親達からしばらく異種間留学生として生活を命じられた。────まぁ、これは私の許婚に関係してるらしいんだけどね。

人魚姫のお話があるでしょう?王子様と結婚したお話が。────その昔話の名残かその所為と言うか、ごく稀に人魚の中には普通の人間と結婚するものが居るの。それは、そのお伽噺に惹かれてか、それとも異種間の恋に落ちたか。………ってそんな話がしたいわけじゃないんだよね。兎に角、昔……小さい頃私は人間の子供に命を救われたことがあった。悪い大人に掴まっちゃったんだけど、その人間の子供が救ってくれたんだって。…だけど、その子は身体に消えない傷を負っちゃって。………それでお父さんとお母さんが、お礼をした。それから何だかんだでその子が私を将来の婚約者に欲しいと言ったとか言わないとか。そういうわけで、私の将来は物心つく前から決まってしまっていた。結婚する相手の顔も名前も分からない。私は居一国の姫なんだからそれも仕方ないんだけど…どうせなら、「人魚姫」のように恋をしたかった。命が消えてしまっても構わないというくらいの恋に。───なんて考えながら、学校の寮(一応私は一国の姫なので要人扱いされているんだよね。…だから特別寮。)を出て、転入先の教室へ向かう。ちなみにクラスの子達も私が異種間留学生だという事は知っているらしいんだけど。……人間の子と仲良くなんて出来るのかな…それにこの制服、って服。変じゃないだろうか?………王国(海の底のね)では服なんてこんなに着ないからちょっと重い。そうして開かれた教室の扉。担任の先生が紹介した瞬間に、歓迎の拍手と…あと凄く視線が向けられた。


「は、初めまして。高町なのはです。」


ペコリとお辞儀をすると、可愛いとか足が生えてるとか言われたけど…なんとかやっていけるかな、と思ってほっと胸を撫で下ろした。窓際に居る、一人の女の子と目が合ったけれど、特に気にも留めなかったようでその子は一瞬で視線を背けて外の方を向いてしまった。紅いきれいな瞳だと思った。




それから休み時間になると沢山の生徒が群がってきて、嬉しいんだけどちょっと大変なの。……こういう所は私の世界とあまり変わらないみたい。


「ねぇ、高町さんは陸の上に来た事あるの?」
「海の底の世界って綺麗なんでしょう?」


なんというか質問攻めで、ちょっと………いや、かなり大変。


「ちょぉ、ちょぉ。なのはちゃん困ってるやろ?…あんまし一気に質問したらあかんよ?」


そんな中私に助け舟が渡された。少し変わった話し方をする小柄な子だった。その子が注意すると「ごめん」とか言いつつちょっと質問攻めが抑制されて内心「良かった」と息を吐いた。


「えと………」


お礼を言った方がいいのかな?…ぁ、でも失礼だよね?質問してた子達に対して。なんて考えている私にくすっと笑うとその子は屈託のない笑顔で自己紹介をしてくれた。


「私ははやて。よろしゅうな、なのはちゃん♪」
「あ、うんッ。よろしくねはやてちゃん。」
「何でも分からん事あったら聞いてな♪一応、なのはちゃんの世話を任されてる八神家の人間やから。」
「ぁ、ありがとうっ。///」


ぽんぽん、と肩を撫でるその子の名前は八神はやてというらしい。「八神」と言うのは私の国と人間界と、何かと繋いでくれる役割の家だ。それを聞いて少し安心なの。やっぱり1人で留学はいくらなんでも心細すぎるし。


「────世間知らずのお姫様やからよろしゅう、って美由紀さんにも言われとるからね。」


お礼を言う私にニパッと笑うはやてちゃん。…私そんなに世間知らずでもないんだけど。世間知らずなお伽噺の中の人魚姫じゃないんだから。あ、そういえば。


「そういえばはやてちゃん。」
「はいな?さっそく質問か?」


何でも来い、と言った感じのはやてちゃんにちょっとした疑問を口にする。それはさっきの女の子の事だ。紅い瞳の、金色の綺麗な子。今は教室に居ないその子がただ何となく気になっただけなんだけど。


「あの、窓際に金髪で紅い目をした女の子が居たでしょう?」


あの子はどういう子?と聞こうとして、私を質問攻めにしていた男の子が変わりに答えをくれる。


「ハラオウンの事?───あんまり近づかないほうが良いよ。」
「ふぇ?それって…」
「アイツは王族の人間だし、誰もアイツが笑ってるところを見たことがある奴居ないんだ。それに─────」


それに。と言いかけて途中でその子は口を噤んでしまった。その表情に見えるのはほんの少しの怯えた色。なんでだろう?首を傾げて振り向けば、どうやら丁度教室に戻ってきた彼女がその子を睨んでいるところだった。紅い瞳に宿っている嫌悪の色。だけど、とても綺麗な瞳で、見たことのない色に興味を持った。純粋に、教えてくれたその子の話によると「良い人」ではないみたいなんだけど、とても気になったのでした。


「はいはい、話はその辺でなー?フェイトちゃんもそんなに睨んでへんでもうちょい笑顔にしとき?」
「─────別に睨んでないよ、はやて。」


それから、一言はやてちゃんに返すとその「フェイトちゃん」と呼ばれた子はふい、と自分の席へと戻って行く。やや覇気のない低い声に耳がくすぐったい気がする。……そんな私に、はやてちゃんが苦笑して「ほんまはえぇ子なんやけどね?」とフェイトちゃん、のフォローをして自分の席へと戻って行った。もっとその子の事が知りたいと思うのは、単に彼女が自分と一緒の「王族」の人間だからなのかな?それとも、…………?うーん。

























そして事件が起こったのはその日の夕方。正確には放課後、私は所謂ラブレターと言うものを貰った訳で、初めての事にどうして良いか分からずさっそくはやてちゃんに助けを求めた。ラブレターなんてもらった事がない。それ以前に告白さえされた事がない。ってゆーか私結婚相手が決まってるし!///なんて動揺する私をよそにはやてちゃんは「付き合うのはタダやよ?」とか変な事を勧めてくる始末。とは言っても私好きじゃ無い人とお付き合いとかしたいわけじゃなくて。ちゃんと「恋」をしたわけで。ここは素直にお断りする、という選択肢を選んだのでした。


「ごめんなさい。」


そうして夕方の裏庭で、こんな風に「お断り」のお返事をしていた。相手は知らない男の子で、とにかくやっぱりそんな知らない人とお付き合いできるわけでもないので正直に頭を下げる。それから許婚が居るので、と付け足した。なんだけど、さっきまで2人だったのにどこから見てたんだろう?いつの間にかわらわらと数人の男の子が出てきた。


「ふぇっ?」


こんなに大勢にさっきのやり取りを見られてたの?ちょっと恥ずかしいような………


「あーぁ。やっぱり人魚のお姫様はオカタイね。」


後から出てきた男の子の中に居たのは、教室で質問攻めにしてた男の子だ。教室で見たときより、なんていうか意地悪そうな顔なの。


「ねぇ、高町さん。」
「ぁ、はい?」
「お断りするときはね、ちゃんとやり方があるんだよ。人間のやり方の。」


そうなの?───はやてちゃん何も教えてくれなかった…。どうやら交際をお断りするにはそれなりの方法があるらしい。「ごめんなさい」だけじゃダメなんだ…。どうすれば良いんだろう?そう思ってちらりと視線を向ける。と、私の疑問に微笑んだその子が「教えてあげる」と言った。


「唇で返すんだよ。」
「ぇ?」


そんなの聞いた事無い…けど、やっぱり私って世間知らずなのかな?「唇で返す」と言いながらその子はトントン、と自分の唇を指す。「お詫びのキス」って事なの?……でも、紛れもないファーストキスなわけで。一応私の世界ではやっぱり好きな人とするものだったし…人間は違うんだっけ?


「お姫様なのに、礼儀も通さないの?」


迷っている私に投げられた言葉は、軽い侮蔑の意。投げたのはラブレターを送ってきた男の子で。躊躇している私に怒ってるのか、若干睨んでいる。………えぇと、礼儀はやっぱり通さないといけないものだとは思うんだけど…でも、唇で返すっていうのは……些か疑問なの。どうしてはやてちゃんは教えてくれなかったんだろう。ニヤニヤした視線もなんだか酷く嫌だなぁ。人間ってちょっと恐いかも……うぅ。


「自分から出来ないなら君は立ってれば良いよ。」


そう言って、半歩くらい近づいてきた時だった。


「…………五月蝿いんだけど。」


いつの間にか居たのか、不機嫌そうな低い声。それから苛立ちを隠せていない表情。そこにいたのはフェイトちゃん、だった。どうやらどこか近くで読書でもしていたらしい彼女は静かに本を閉じる。孕んだ怒気に、教室の時と同様やっぱり怯えた表情を見せるクラスメイト。


「は、ハラオウン!?」
「私ね。」


それから静かに、小さく息を吐く。


「そういうの、本当に虫唾が走るんだ…。前に見つけたときに散々教えたはずだよね?」


こういうのは、私の目の届かないところでやれって。と、そう言うと集まっていた男の子達(ラブレターをくれた子も含めて)は一斉に走っていく。「お詫び」はもういいのかな…?というかどうしてこのフェイトちゃん、はこうも機嫌が悪いんだろう?


「…………あの?」


よく分からないけど、とりあえず折角だから話しかけようと思って口を開いた。


「君も一国のお姫様なら、もう少し警戒とかした方が良いんじゃないの?」


だけど、返って来たのはなんだか冷たい態度と、怒られてるような感じの台詞。私を一瞥すると手に持っていた本を片手に開いて、パラリと開く。開きながら、一歩足を進めて。


「それとも、くだらないお遊びで人間界に来たのなら、もう帰った方が良いよ。────人間は君が思ってるほど良い生き物じゃないし。汚いよ、ヒトは。」


そのままそんな事を吐き捨てて、それから振り向きもしないで去っていってしまった。綺麗な金色の髪。手を伸ばして触れたくなるような、そんな気持ちになった。











それから部屋に戻って、ちょうど夕食を持ってきてくれたはやてちゃんに「お断り」の礼儀を聞いてみたのだけど、「ちょっ!どんだけ世間知らずやの!?」と物凄く怒られてしまった。………なんだ、嘘だったの。


「あんなぁ!いくらなんでも気付くやろ!アホかっ!」
「にゃっ…で、でもしてないからもう良いじゃない!!!///」
「当たり前や!そんな世間知らずの女の子、それもお姫様やよ!?死刑や!死刑!!!」
「な、………で、でも私が世間知らずなのも悪かったし…!」
「それもそうや!これからは毎日なのはちゃんに護衛をつけよう!そうしようっ。せやないと、私が殺されるわ!!!」


ギリギリ、と拳を震えさせて怒りまくるはやてちゃん。……心配してくれてるのは嬉しいんだけどね…。


「仮にもキズモノになったらどうしてくれんねん!一応婚約者もおる乙女を!」
「………一応って。」
「だって顔も見たことないんやろ?」
「ぅ、…そうなんだけど………。」
「それにしても、顔も知らん子ぉと結婚かぁ~…なんや、複雑やね。王族っちゅーのも。」
「でも、お父さんとお母さんは会ってるから。……私は気を失ってて、覚えてないんだけど。」
「せやけど命を助けたから嫁にくださいなんて…なんか卑怯やない?」
「ん………、でも大人になって会った時に私が少しでも嫌がったら、取りやめるって約束らしいから。」


私がそういうと「それならまぁ安心やね」なんて言ってはやてちゃんが微笑む。そんな条件までつけてくれるなんて、実は私の許婚はとても良い人なのかも、とか妄想してみる。


「しっかし、フェイトちゃんに助けて貰ったならラッキーやね。」
「そうなの?」
「フェイトちゃんに助けて貰ったなら、あの子ぉらももうなのはちゃんには手出し出来んやろ。なんていったって王族やし。」


妄想に浸っていた私は「フェイトちゃん」という名前に反応して即座に意識を切り替えた。


「まー何ていったって、差し詰め王子様に助けられた人魚姫、ってとこやろ。フェイトちゃんあれで結構優しいしモテるから。」
「………でも私にはちょっと冷たかったよ?今日。」
「はぁん?…それは、なのはちゃんがあまりに無防備やからやろ。それにその冷たくて優しいトコが乙女心を擽るんやろなぁ。」


そんな話をしながら、転校初日の1日が終わっていった。…なんというか1日目から早速事件は発生するし、この先大丈夫なのかな………私。とりあえず夕方の事件の事ははやてちゃんには伏せておいて貰って、(家にバレると後が恐いし)変化させた足も結構大変だなと、慣れない1日に疲れたので寝ることにしたのでした。































夜も遅い時間。私は1人で浜辺に出ていた。海が近いこの学校だから出来る散歩。…私は子の時間が一番好きだ。家の事も何もかも忘れて子供の頃に戻れるような気がしたから。


「おぉーい、ツンデレ王子♪」


けれど、どうやら呼んでないお客様が来てしまったようで軽く溜息を吐いてからよく知った声に振り向いた。にこにこと楽しそうに笑うのも不快だし、私を呼称した呼び名も訂正して欲しい。


「なに?────はやて。」
「今日なのはちゃんの事助けたってほんま?」
「…………別に助けたわけじゃなくて邪魔だったから…」
「ツンデレ王子様やねぇ、フェイトちゃんったら。」


もはや反論もする気にならなかったので「好きに言ってなよ」と適当に返して砂辺に腰掛ける。とはやても隣に腰掛けた。………どうやら私に話があるらしいけど、いちいち癪に障るんだよなぁ。


「言わへんの?」
「何を。」


はやてはこう見えて実はかなり鋭い。………しかし聴かれたく無い事をズバズバと聞かれる身になって欲しい。結構キツいんだよこれ。「何を?」なんて聞き返してみてもはやてが聞きたいことは分かってるわけで。


「子供の頃なのはちゃんの事助けたの、確かフェイトちゃんやろ?」
「何のことだかさっぱり分からない。…って言ったら?」
「私フェイトちゃんの傷見てもーたし隠しても無駄やよ?」


私の「傷」。小さい頃彼女を助けた時に負ったものだけど一体いつ見たんだろ?…着替えでも覗かなきゃ見えないはず……………ってコラ。


「覗きはその内掴まるよ。」
「…………私の楽しみや。えぇやろ減るもんでもなし。」
「ったく…。」


迂闊に着替えられないな。この変態には十分用心しなければ。


「言うつもりないよ。……もし彼女に、「婚約者」以外の好きな人が出来たらちゃんと解消してあげるつもり。それにあれは子供の勢いで言っちゃった事だし。」


彼女は人魚で私は人間だ。きっとその内、不自由なことも出てくる。人間に変化してたってなれない歩きの生活はキツいだろう。元はといえば、咄嗟に言った私の我侭だ。子供の。


「だから、はやて。」


ゆっくりと立ち上がり砂を払う。はやては、友人だ。気心の知れた私が心を許せる数少ない。だけど、それでも許せ無い事もある。


「彼女にこのことを言ったら、許さない。」
「言わへんよ。安心しい。」
「……………知ってるけど、念のため。…それに、小さい頃の事だし…私だって他に好きな人だっているかも知れないでしょ?私も彼女も変なしがらみに絡まっちゃっただけなんだ。」


バカな子供の気まぐれな我侭に。そう言ってはやてに背を向ける。


「追って来てくれたのに悪いけど、風邪気味だから先に戻るよ。」


風邪なんて引いてないけど言い訳染みた台詞を呟いて寮へと足を進めた。


「ほんまは好きなくせによう言うわ。」というはやての苦笑気味の台詞は、潮風に流されて聞こえなかった振りをした。











初めて人魚を見た。遠めに見た屈託のない笑顔、蒼い瞳。幼心に見た恋。幼いが故に、勝手な我侭を言った。彼女の人生を変えるほどの。酷く汚い我侭で、純粋無垢な彼女を巻き込んでしまった気がして、歳を重ねるごとに苦しくて。

君が好き、だなんてどの面を下げて言えばいいの?



私は、彼女に名乗る気は露ほども無い。「私が貴女の命を助けました。だから貴女は私のものです」なんて傲慢甚だしいことを。それに、本当に助けられたのは私の方だ。


胸元の古傷は制服のボタンでギリギリ隠せる程のところにある。致命傷だったところを、助けて貰った。人魚の涙で。─────彼女は覚えていないだろうけれど。





彼女を解放してあげれたら、それでいい。







彼女の幸せが、私の幸せ。














fin



王子様と人魚姫(ω)

続きはあなたの心の中に('ω')──☆キラッ


テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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