♡短編♥

タイトルが浮かばなかったw!ひさびさに長いの書きました。良かったら読んでください(^^)パロで歳の差CPです。学生ふぇいとちゃん×社会人ななのはちゃん。なのはちゃんが若干病んでる気がしますw(明るい病み方でねw)フェイトちゃん視点→なのはちゃん視点→フェイトちゃん視点!

追記からっっ

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シュルシュル、っていう衣擦れの音とか、カーテンの隙間から漏れる太陽の陽の眩しさにまだ重い目蓋をゆっくりと開く。すると定まらない視界の先に、動く影があった。


「起こしちゃった?」
「………ん…」


掛けられた優しい声にまた微睡みそうになって、あぁ、だけど起きなくちゃとシーツを引き寄せた私にクスクスと微笑んで、今度は「ちゅっ」と音を立てて耳にキス。ぼんやりとした視界の中、目の前には仕事に行く準備が完了している恋人の姿。


「行ってくるね?フェイトちゃん。」
「………ん、…てらっしゃ……」
「学校、遅刻しちゃダメだよ?あと浮気もだーめ。」


そんなのしないよ、という返事は声にならなくて。やっぱりクスクス嬉しそうに微笑みながら、彼女は私の頬にもう一度口付ける。その後、彼女が部屋を出ていってから数刻後、ようやく私はベッドを抜け出すことに成功したのだった。














そして、ところ変わった大学にて。私は唸っていた。







「──────うぁぁ。」
「しかしここの学食はあんまし美味しくないなぁ。フェイトちゃんと同じくカレーのが良かったわ。」
「────ぅあぁ……。」
「フェイトちゃん、食べへんの?」
「ぅうぁぁ……。」
「分かった、聞くから。聞くからその唸り声やめてくれん?」


私が学校に来たのは結局お昼頃。午前中は講義がなかったからとはいえ午前中のほとんどの時間を無駄に寝て過ごしたことになる。それから友人のはやてと合流して、私は今現在、自分のダメダメさを深く反省しているところだった。申し遅れたが、私の名前はフェイト・T・H(19)大学生だ。私の唸り声に耐えかねたはやてが溜め息を吐きながらコーヒーに口をつけたのを見つつ、私は日頃の悩みを打ち明けた。社会人で年上の彼女との事を。


「なのはとの事、なんだけどさ……」
「へ?何かあったん?」
「いや、私自身の問題なんだけど………あのさ。」


ちなみにはやては私となのはの共通の友達でもある。私となのはの馴れ染めは、大学の先輩後輩なのだから、知っているのは当たり前なんだけどね。だから相談するならはやてが一番しやすいわけで、はやてはこの相談を意外そうに聞いていた。


「なんよ、言うてみ?」
「私………ヒモっぽく、ない?」


ずっと前から気になっていた、というか考えていたこと。一緒に住んでいる恋人が社会人でしかもご飯も作ってくれて、特になのはは何だか過保護というか甘やかし癖があるのか、私には凄く甘いわけで……と言うと、はやては困ったように苦笑した。というかちょっと面倒臭そうにしている。


「…しゃーないやろ。年の差あるし。」
「否定しないってことは、やっぱヒモっぽい?」
「……なのはちゃん、甘やかしっ子やから。」
「だよね…。いや、私がそうさせてるのかも知れないし…やっぱりヒモっぽいの?」
「………過保護やしね。尽くすっていうか?あ、愛されてるっちゅーことやろ?」
「は、はっきり言ってよ!ヒモっぽいの?」
「………あー、てかあの人が学生の頃からそーやったやん!お世話されとったやん!」
「ぇ。…私って、昔からヒモっぽかったの?」
「いや、お小遣いとか貰ってんの?」
「そんなの貰ってないよ!」
「じゃあヒモとは違うやろ。…なのはさん、フェイトちゃんにだけは昔から甘々やったから、その延長やろ。つーか何が不満やの?あんな美人に愛されて!腹立つわー。」


一頻り私の不満、というか心配事?を言うとはやてに逆に叱られてしまった。叱られたのはなにか釈然としないけど、私はヒモっぽいのが不満なわけで、や…別になのはに尽くされる、というか優しくされるのが嫌なわけじゃないよ?


「えと、…養われてる感が……さ?」
「それはノロケなん?」
「ちが、違うよ!///……家賃とかもなのはが払ってるし、ご飯も私より先に作っちゃうし、朝も起こしてくれるし……」
「だから、それはノロケなん?」
「…………私、バイトしようかな。」
「それはノロケな………バイトぉ?フェイトちゃんが?」
「うん。」
「あかん、フェイトちゃんにバイトなんて出来んやろ!何でまた急に?!」
「バイトくらい出来るよ!それに、社会人になるまで養うとかは無理でも、何かプレゼントとかはしたいから………」
「ふぅん…プレゼントて、どんなん?」
「ぇ?……ゆ、ゆびっ、指輪…とか。///」
「へー、へー、ちなみに何の仕事する気なん?」
「まだ決めてない。今思い付いたんだもん。……何かない?はやて。」
「私に聞くん?」
「シグナムのお店とか手伝えないかな……?」
「ぶはっ!…シグナムの店、何だか知ってんか?いや、フェイトちゃんなら大歓迎やろけど。……なのはさん怒らんの? 」


シグナムというのははやての知り合いで、ホストクラブみたいなお店をやっている人だ。手伝いくらいなら出来るかと思って言うとはやては口に含んだものを吹き出した。……汚い。それにどうしてなのはが怒るというのか。


「…………何でなのはが怒るの?」
「いや、なのはさんただでさえフェイトちゃんに過保護なんやし夜のバイトなんて…しかもホストやなんて怒るやろ…」
「なのはには内緒でバイトするつもりなんだけど?…プレゼントもビックリさせたいから。……それになのは暫く仕事遅い日があるかもって言ってたから大丈夫だよ?」
「あー、うん。分かった。手伝いくらいならえぇやろ。聞いとくわ。」
「ありがとう、はやて。」


咄嗟に思い付いたことだけど、よく考えたら私がなのはに何かをプレゼントなんてしたことがないし、これは我ながらいい考えだと思う。来週なのはは仕事で帰りが遅いって言ってたし、丁度良いや。


「じゃあ宜しくね、はやて。」


その日の内にシグナムからひとつ返事でOKが出て、私はさっそく来週からバイトを始めることになったのだった。




























それから数日後、私はすっかりバイト慣れしていた。仕事は凄く簡単で指名されたらちょっと話を聞いて、お酒を注いであげるだけ。よく分からないけど私はただ黙って話を聞くからかやたらと指名されるようになった。…とは言え一応私はまだ未成年だしお酒も飲めないから本当に「お手伝い」って感じだ。それでも時給が良いからなのはには何か素敵なプレゼントが出来そうだ。良かった。


「シグナム、今日もシャワー使っていっていい?」
「構わん。…が、もう遅い時間だ。終わったら早く帰れ。」
「うん。」


バイトに来て1日目に私より先に帰っていたなのはに「香水臭い」って言われてからはちゃんとシャワーを浴びてから帰ることにしている。バイトの事がバレたらプレゼントで驚かせられないからそれだけは避けたいからね。そうして、私は家に帰ったのだった。


「あれ…明かりがついてる……」


マンションの近くまで帰ってくると私となのはの部屋の明かりがついていた。どうやら今日はなのはの方が早い帰宅だったみたいだ。


「ただいま。」
「おかえりなさい、フェイトちゃん。」
「なのは今日は早かったんだね。」
「うん。もうすぐ定時上がりに戻れるんだけどね。」
「そっか、良かった。」


家に帰るとなのはが玄関の前まで出迎えに来てくれて「おかえり」と言ってくれた。


「最近遅いね、フェイトちゃん。」
「ぇ、そうかな?」


不意に後ろから抱き付かれて何だか甘やかすようなキスを耳の後ろにされた。私の方が背は高いから、なのはは背伸びをしたみたい。


「なのは、くすぐったいよ…///」
「あれ?」
「ぇ?」


そう言えばなのはは昔から妙に鋭いところがあったっけ。だから、なのはの「あれ?」という言葉に思わず動揺した声が零れた。


「……何でもない。」


だけどなのははニコッと笑ってそう言った。何だろう、絶対「何でもない」って顔してないけど…でも下手に突っ込むと後が怖いから、私は「そっか」とだけ返したのだった。


「フェイトちゃん、お風呂出来てるよ?」
「ぁ、うん。入る。」


シャワー浴びてきたけど、怪しまれちゃうからもう一回入ろう。そう思って上着を脱ぐ。


「あれ?なのはは入ったの?」
「うーうん、まだ。」
「じゃあ先に入って良いよ?」


よく見たらなのはもまだお風呂に入ってなかったみたいで、先にお風呂を勧めるとなのはは優しく微笑んで「一緒に入っても良い?」とだけ言った。


「久し振りにフェイトちゃんの髪の毛洗ってあげる。」
「ぅ、うん…って子供じゃないんだからいいよっ…///」
「いいからほら、おいで?」
「…ぅ。///」


結局私は、なんと言うかなのはには敵わないんだよね。改めて実感した。……いつだってなのはは私に格別優しいから、私はついつい甘えちゃうんだろうな…。もっと大人になりたいと悔しくも思ったりする。たった3つしか変わらないのに。


「フェイトちゃん?服脱いだままボーっとしてると風邪引いちゃうよ?」
「ぁ、うん。今行く……」


脱衣所でぼんやりと考え事をしているとなのはは不思議そうに首を捻って私を見ていて、私は慌ててお風呂場へと入ったのだった。それからなのはが先に湯船に浸かってて、私は身体を洗っている。…………んだけど、何だかすっごく視線を感じるわけで。


「な、なのは?」
「ん?洗って欲しくなった?」
「いや……何か凄く見られてる気がするんだけど…?」
「へ?そう?何で?だめ?」
「ぇっ?だ、ダメじゃないけど……洗い難い。///」


そういうとなのはは可笑しそうに笑ったのだった。………なのはが洗うときだって思いっきり見てやる。…と、そう誓ったのは内緒だ。


「はぁー…疲れたー…。」


なのはも身体を洗い終わって2人でお湯に浸かる。いつも2人で入る時は予めお湯が溢れないように計算して少なく入れてるんだけど、今日も溢れなかったから多分なのはは最初から一緒に入るつもりだったんだろうな…。ただ、納得いかないのはいつも私がなのはに抱っこされるような形で浸かる事だった。どちらかと言うと私がなのはを抱っこしたいのに。まぁ、なのはは譲ってはくれないんだろうけど。


「ねぇ、フェイトちゃん?」


ピチョン、と天井から滴る水が水面に波紋を作るのをぼんやり見ていると、耳の後ろ辺りでなのはが話しかけてきた。若干、頬ずりするようにして。何だか甘やかされてる、というか愛されてるような気がするよね。っていうのは私の心の独り言だけど。


「なぁに?なのは。」
「……どうして最近遅いの?」
「ぇ。」


なのはってばやっぱり鋭い。けど私だってその辺の対策はちゃんと考えてるわけで平常心を装って「実は…」と切り替えしたのだった。


「実はちょっと、学校のサークルで……」
「ふぅん……フェイトちゃんがサークルなんて、ちょっと意外。」
「そう?」
「うん。だって、フェイトちゃんそういうお誘い全部断ってたじゃない?」
「あー……ちょっと、その…友達に頼まれて…」
「……………そっか。ぁ、ご飯何食べたい?」
「?……えっと、オムライス、とか?」


何だろ?一瞬なのはの返事に間があった気がするけど…気のせいかな?話を反らすのも何か変だし……。と思いつつとっさに浮かんだ献立を呟いてみる。


「じゃあ、オムライスにしようかな。」
「てゆーかたまには私が作るよ。いつもなのはにお願いしてばっかりだも───んむっ?///」


たまには私が、と振り向いた瞬間に不意打ちっていうのは如何なものか。不意打ちの口付けに驚きながらもなのはの唇の柔らかさにそのまま身動きできずじっとしていると、器用に舌を絡ませてきて。苦しくて微かに「んぅ」と声を漏らすとようやく唇が離れた。


「もう、急になんてズルいよなのは。///」
「あまりにも可愛かったものでつい……にゃはは。」
「たまには私にも主導権頂戴?」
「じゃあ、もう一回っ。」


そう言って自分の唇をトントン、ってするなのはの顔は何だか凄く大人びていてちょっとだけ不安になったりする。例えば会社とかで、私よりももっと大人っぽい人とかに惹かれたり…しないんだろうか?なのはを繋ぎとめたくて内緒でバイトなんてして指輪をプレゼントしたいなんて…幼稚な考えしか浮かばない私に、なのはは愛想を尽かしたりしないだろうか?なんて事考えてしまう。


「……フェイトちゃん?」


だから。


「なのは。」


体の向きを変えてなのはの方を向いて跨るように膝立ちになると、そっとなのはの唇に口付けた。



































































「…………何よ。その辛気臭い顔は。」
「何かあったの?なのはちゃん。」


フェイトちゃんと一緒にお風呂に入った翌日、私は会社で1人唸っていた。昔からの幼馴染みであるアリサちゃんとすずかちゃんに話しかけられて、最近の私の悩みを話そうか迷っていたのでした。


「えっと……もしかしたらなんだけど…」


言ったら信実になってしまいそうで恐い。けど、もう不安も限界。


「何よ?」
「悩み事?」


心配そうに眉を潜めて詰め寄る2人に、私は悩みと言うか不安を暴露したのでした。


「フェイトちゃんが…浮気してるかも。」


言った瞬間に泣きそうになって、机に突っ伏す。言葉にしたら余計に不安になってきた。


「はぁ?何でよ?絶対ありえないでしょ、ソレ。」
「わ、私もそう思うな…。なのはちゃんの勘違いじゃないの?」


3つ年下の恋人であるフェイトちゃんは私の後輩で2人も良く知っている子。私だってそんなの絶対にありえないって叫びたい。でも、最近のフェイトちゃんは絶対におかしいもん。


「だって、女物の香水の匂いとかしてたり夜遅かったりするんだよ?こんな事なかったのに……。」
「学校で移ったとかじゃないの?」
「香水臭いっていったら動揺してたもん。……それに、最近はお風呂入ってくるんだよ?どこかで!……うわぁーんっ!」
「な、なのはちゃん!落ち着いて?」
「そうよ落ち着きなさい!」
「だって、昨日も髪の毛が湿ってたしシャンプーの匂いしてたもんっ!」
「ぇえ?フェイトに限ってそんな事しないわよ!……たぶん」
「アリサちゃんそれフォローになってないよ?」
「だからね、昨日一緒にお風呂に入ったときに体の隅々まで見たんだけどそんな痕跡はなくて……あったら困るけど!」


帰って来たとき、明らかに髪の毛が湿っててほんのりシャンプーの香りがしてた。ってことは何処かでお風呂に入って来たってことだもん。


「あー…一緒に…風呂ね……。浮気の心配はないと思うけど?」
「私もそう思うよ?フェイトちゃんには聞いたの?」
「………恐くて聞けなかったの。それにフェイトちゃんたまに何か考え込んでるし。昨日お風呂でも──」
「風呂の話はいいわ!……兎に角、真相を突き止めようじゃない。」
「ダメだよアリサちゃん、これは2人の事なんだから…」
「アリサちゃん一緒に行ってくれる?」
「いーわよ。大体なのははフェイトの事甘やかしすぎなのよ!」
「そ、そんな事無いもんっ!///」
「あんた達見てるとフェイトの将来が心配になるわよ。ヒモになりそうで!」
「…………そんなの、……いいかも。///」
「良くないわよっ!なのはがいないと何も出来ない人間になっちゃうでしょうがっ!」
「私が居ないと何も出来ないフェイトちゃん……。///」
「うっとりするなっ!兎に角、今日は早退してフェイトの様子見に行くわよ!」
「ちょ、ちょっと2人ともっ!?」


私が居ないと何も出来ないフェイトちゃんかぁ……。素敵かも。困惑するすずかちゃんを他所に私達3人(すずかちゃんの分も含めて)は早退届を強引に出したのでした。フェイトちゃんが浮気なんて絶対にありえないけど、もうしそうなったらどうしよう…。私のフェイトちゃんが……。


「それにしてもなのは、ちょっとはフェイトに厳しくしなさいよ!」
「ぇ、無理。フェイトちゃんに厳しくなんて出来ないよ…可愛いんだもん。」
「あー…もういいわ。」
「なのはちゃん、フェイトちゃんには昔からいっぱい愛情注いでたもんね。」
「………本当、過剰なほど注いでたわね。」
「フェイトちゃんほど愛おしい人、どの人類探してもいないよ?」


至って真剣に言うと、何だかすっごく溜息を吐かれてしまった。ともあれ、夕方に会社を早退した私達は久々に母校でもある大学へとフェイトちゃんを探しに向かったのでした。それからすぐに、フェイトちゃんを見つけたんだけどね。……あんなに広い学校でフェイトちゃんをすぐに見つけるなんて凄いと我ながら感心してしまったりもしたのでした。




「フェイトちゃんだ。」
「あー、相変わらず無駄に目立ってるわね……」
「あーん、学校でフェイトちゃん見るの久々っ!///」
「あんたは黙ってなさい。」
「痛っ!」


急にアリサちゃんにチョップされて反論の一つでもしようと思ったんだけど、フェイトちゃんが学校を歩き始めたのでその様子を伺う。学校から出て、街に向かうみたいだった。


「昨日、サークルって言ってたのに……やっぱり…」
「まだ分からないでしょうが!」
「そうだよなのはちゃん、フェイトちゃんを信じよう?」
「ふぇ、フェイトちゃ……うぅー…」
「うっさい!」
「ふにゃっ!?」


またしてもチョップされたのでもう大人しく2人についていくことに。フェイトちゃんが私に内緒ごとするなんて正直ショックだけど……てゆーか内緒ごとでも何でも良いけど浮気だけは絶対嫌ぁっ…


「ど、何処行くのフェイトちゃ……そっちはホテル街じゃ……」
「まさか、フェイトに限ってそんな……こ…と……?」


段々怪しげな方向に歩いていくフェイトちゃんはこともあろうにホテル街の方向へと向かい始めて…アリサちゃんが「フェイトに限って」と言うと同時に、フェイトちゃんに近づく一人の女性が居た。何だか顔見知りなのかとても親しげに。


「嘘っ……フェイトちゃんが浮気……」
「ま、まだよ!単なる知り合いかも知れないでしょう!」
「そうだよなのはちゃんっ!フェイトちゃんを信じよう?」
「信じてるけど!…でも、……」
「ぁ!移動した!」


こともあろうにフェイトちゃんの腕を…………。嘘だと思いたい。まさか私のフェイトちゃんが……。ほぼ灰になりつつフェイトちゃんと、その腕を組んだ女の人を追う為に足を進める。


「おんやぁ?なのはさん達やないの。」


足を進めようとしたところで、割と聞きなれた独特の言葉に振り向く、とそこに居たのはフェイトちゃんの親友でもあるはやてちゃんだった。


「は、はやてちゃんっ!」
「チビ狸がどうしてこんな所にいるのよ。」
「お久しぶりだね、はやてちゃん。」


愛嬌のある笑顔でにこにこ笑うはやてちゃんは「どうしてこんな所に?」と首を捻る。目線でフェイトちゃんが歩いて行った方を一瞬見て、それから「ははん」と不敵に微笑んだ。………はやてちゃんもなかなか鋭いよね。


「さてはフェイトちゃんの後でもつけてるん?」
「………鋭いわね、狸のくせに。」
「はやてちゃんは何か知ってるの?」
「のわっ!ちょ……なのはさん、ちょっ…!」


はやてちゃんなら何か知ってるかも知れない。私の直感で、はやてちゃんの頭を思いっきり揺さぶると、両脇からアリサちゃんとすずかちゃんに止められてしまった。


「えっと……まぁバレるのも時間の問題やと思ってたし……私が案内するわ。」


クツクツと苦笑しながら、はやてちゃんはフェイトちゃんの居る場所まで案内してくれると言う。バレるのも時間の問題って……それってやっぱり……?


「こっちですよ。」


はやてちゃんについて来て、到着したのはとあるお店だった。お店の看板には人気の人の順番が書いてある。………これってもしかして。


「実はここシグナムのお店なんやけど……よいしょ。」


何の躊躇いもなく煌びやかな扉を開けるはやてちゃんに、私達も後ろからそろそろとついていく。中も煌びやかで、なんと言うか、案の定ホストクラブのような場所でした。


「こ、ここにフェイトちゃんが居るの?」
「んーまぁ、座って座って。」
「ふぇっ?」
「何であたし達がこんな場所に……」
「まぁまぁアリサちゃん、お仕事だと思って我慢して?」


適当な場所に座らされて、周りを見る。なんというかやっぱり派手なのでした。こんな所でフェイトちゃんが浮気を……?それとも誰かお目当ての人が?…ど、どうしよう。


「お待たせしまし………なの…は?」
「ふぇ、フェイトちゃんっ!?」


私達のところにメニューやらお水のグラスを持ってきたウェイターさんの声に凄く聞き覚えがあって見ると、そこにいたのはウェイター姿のフェイトちゃんで。フェイトちゃんは驚いたように眼を大きく見開いていた。


「ぇ……はやてのお客さんって、なのは…達だったん、だ。」
「フェイトちゃん、こんな所で何してるの!?///」
「いや、その…………何って言うか…えっと…」


黒いシャツに、黒いパンツスーツ。凄く格好良いフェイトちゃんは、私が問い詰めるとしどろもどろになっておどおどと視線を巡らせている。


「もう白状せぇフェイトちゃん。すぐバレるて言うたやろ。」
「……はやて…」
「なんでこんな所にいるの?フェイトちゃん………」
「実はなぁ、フェイトちゃんここんとこバイトでシグナムの店手伝ってくれてたんよ。」
「ふぇ、フェイトちゃんがバイト?」
「何でもなのはさんにプレ───」
「うわぁぁぁぁぁー///!何で言うの、はやて!///」
「ふぇ、フェイトちゃん?」


はやてちゃんが何か言いかけると同時にフェイトちゃんが顔を真っ赤にして叫びだした。……フェイトちゃんがこんなに大声出すなんて、ちょっと珍しい。


「~~~~~っ!///…ッ、なのは、来て。」
「ふぇ、ぁ、うん。」


何だか良く分からないけど、フェイトちゃんに強引に引っ張られてお店の後ろに連れて行かれた。フェイトちゃんって意外と力強いかも。なんてぼんやり考えながら、フェイトちゃんの顔を覗き込む。


「な、何でこんな所にいるの?仕事は?」
「ふぇっ?仕事は今日は早退してきたのっ!」
「なっ何で!?」
「だって………フェイトちゃんが、ぅっ…う、浮気……ふぇぇっ」
「な、なのは!?」
「だって、最近のフェイトちゃんおかしかったんだもん…!ひっく……」


我慢できなくなってみっともなく泣いている私を、フェイトちゃんはオロオロしながら落ち着くまで抱きしめていてくれたのでした。











































いつも通りバイト先のお店に来て仕事をしていると珍しくはやてが来た。…どうやら明日の講義に使うノートを貸してくれとかなんとか。まぁそれは良いんだけどどうしてかはやてがお客さんを連れてきたらしく、とりあえずメニューなど持って出ると、そこに居たのはなのはで。それからはやてに私がバイトを始めた理由を暴露されそうになって、なのはを店の外に連れ出した。


「お、落ち着いた……?」


だけどなのははいきなり泣き出してしまって。正直いつも大人っぽいなのはがこんなに子供みたいになくなんて驚いたけどね。……でも、ちょっとだけ嬉しかった。


「ん、……落ち…着いた。」


私の腕の中、やや鼻声呟くなのはが愛おしくて、名残惜しく思いながらそっと手を離す。でも…なのはがこんなに泣くなんて一体何があったんだろう?


「えと、何があったの?なのは。………気のせいかも知れないけど、さっき浮気って…?」
「フェイトちゃん…浮気してる?」


そしてなのはの口から出た言葉は予想外の、ていうかありえない言葉で口から声にならない声が漏れた。


「はい?……誰が?」
「フェイトちゃんが。」


じとり、と涙目で私を睨むなのはは、なんだかいつもより子供っぽくて。


「す、すすすするわけないじゃない!何それ酷いよっ!///」
「だって、フェイトちゃん最近香水臭かったりお風呂入って帰って来たりしてたじゃない。」
「それはバイトで香水臭くなったからシャワー浴びただけで……」
「何でいきなりバイトなんて始めたの?私に内緒でっ」


じと目で私を見ているなのはにこれ以上嘘は吐けなくて、仕方なく白状する決意。あーぁ、驚かせようと思ったのに。私って嘘とか下手なんだろうか?


「実は………、なのはにプレゼントか何かしたくて…。
「ふぇ?」
「その、いつもなのはに甘えてばっかりで…なんと言うかヒモっぽいのが格好悪くて、っていうか……えっと…」


もにょもにょと、恥ずかしさに消えそうになりながら白状するとなのはは蒼い瞳をパチパチと瞬かせて、それからいつもみたいに微笑む。大人っぽい、綺麗な表情だと思った。


「フェイトちゃん」
「な────んっ、んぅ…」


それからまた不意打ちのキス。私の頬を両手で包んで、引き寄せてられての口付けに驚いて、だけどやっぱり感触が心地良くてなのはの腰を引き寄せてみた。


「私はフェイトちゃんがヒモの方が嬉しいよ?」
「なっ?ま、真顔でそんな事言わないで!私は嫌だよっ///!」
「何で?」
「か、格好悪いもん。どっちかっていうと、私が養ったり…したいし。///」
「私はフェイトちゃんの事もっともっと甘やかしてフェイトちゃんが私が居ないと何も出来ないようにしたい。」
「ぇえっ!?そんなに堕落させてどうするのっ///」
「だめ?」
「ダメだよそんなのっ!私はもっとなのはを守れるしっかりした大人になりたいのっ!」
「……それも格好良いかも。///」
「それに…………なのはが大人っぽくて綺麗だから、ちょっと不安。なのはの側に居ないと不安だから、仕事も近くにしようかとか…思ってるし。………私って、結構幼稚かな?///」
「え、えと……///」
「本当はその……指輪とか、渡せたら良いなとか、思っ────ぅあ!」
「フェイトちゃんっ!///」


最後まで言い終わる前に感極まったなのはロケットが飛んできて、なんと言うか一瞬で世界が暗転した。地面に押し倒された。この服、シグナムの借り物なんだけど……まぁ、いっか。


「なのは、痛い……」
「ぁ、ごめん。…えと、言っておくけど、私フェイトちゃん意外とか本当にありえないからね?」
「うん……。私も、ありえないよ。浮気なんて。」
「だって…///」


どうして私が浮気するなんて思えるんだろう?こんなにもなのはの事がすきなのに。私ももっとなのはみたいに愛情表現するべきなんだろうか?でも私そういうの苦手だからな…。何て考えながら、一つだけ思いついたことがあったので起き上がる。


「ねぇ、なのは。」
「うん?」


服をパタパタと払いながらこっちを向いたなのはに、ひとつだけお願いをした。


「なのは、予約してもいい?」
「……予約?」
「うん。なのはのこの指に、いつか指輪を嵌める権利を。」


そう言って、なのはの左手の薬指に軽くキス。プロポーズなんてまだ私には早い。だから権利の予約だけ。今はまだ学生だけど、一人前の大人になったらきっと。そう言うとなのはは珍しく顔を真っ赤にした。なのはの赤面なんて結構レアな気がする。


「………ぅ、うん。///」
「そうと決まったら私も頑張らなくちゃ。」


私のその言葉になのはは優しく微笑んで、だから私も微笑んだ。


「でもこのお仕事はもう駄目ね?」
「ぇ?」


なのはのその笑顔はとても大人っぽくて綺麗で、だけど今まで私に向けられていた笑顔とはちょっとだけ違っていた。その笑顔に含まれていたのは「怒り」で、それは初めて向けられた感情だったと思う。私に激甘で、何でも聞いてくれる甘やかし過ぎのなのはが珍しく私に厳しくした事だったかも知れない。こうして、私はこのホストクラブのバイトを禁止されたのだった。















そして、それから暫くして私はなのは達と同じ会社(とは言ってもアリサの家の会社なんだけどね)に就職して、上司である恋人に激甘教育をされては毎日アリサに叩かれる日々を送っている。普通は部下である私がお茶を淹れるのに、何でかなのはが私の代わりに淹れたり。ついでにいえば私にだけお茶菓子がついてきたりする。


一体、いつになったら私がなのはを甘やかせる日が来るんだろう……?





































完。





お粗末さまでした!ここまで読んでくれてありがとうなのです!
途中からなのはちゃんの大人っぽさが消えていくマジックw








テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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初心者ですが宜しくお願いしますorz
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