ちゅう

今日は奈々さんの誕生日!なので、一応「誕生日」という言葉だけ入れておきました!←

追記から、短編

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「今日はなのはちゃん仕事やよね?」
「………うん。」


昼休みの屋上で、何気なくフェイトを横目で見ながら言ったはやての言葉に、フェイトはお弁当の包みを開きながら、一瞬だけはやてを目で捉えて肯定の頷きを返した。そのお弁当は今は居ないなのはの手作りのお弁当で、仕事に行くにもかかわらずわざわざ朝、なのはがフェイトに届けたもの。

2人が恋人として付き合い始めてもうすぐ半年になろうとしている。お弁当の包みを開き、蓋を開けてフェイトの頬が綻んだのを横目で見ながら、はやてはぼんやりと自分のお弁当に箸をつけた。ちなみにアリサとすずかは少し遅れてやってくるので、今屋上に居るのはフェイトとはやてのみ。


「今日もなのはちゃんの手作り?」
「へ?…うん。仕事に行く前に届けてくれたんだ。」
「お熱いことで。」
「なのは、優しいから……。」


幸せいっぱいといった雰囲気を全身から滲ませているフェイト。そんなフェイトに、はやては「さよか。」と呟いて空を見上げた。相変わらず空は大きくて澄んでいて、はやては「今日も平和やね」と心の中で呟いたのだった。

ちなみにフェイトはと言うと、おかず一つ一つにいちいち頬を綻ばせながらなのはの手作りのお弁当を頬張っている。その光景がなんとも平和すぎて。多分その所為なのだろう。はやてが些細な悪戯如き言葉を発したのは。或いは少し興味があったからで、或いは少しからかってやろうと思って言ったのだ。


「なぁ、フェイトちゃん。」
「うん?」


フェイトは丁度、黄色い卵焼きを口に放り込んだところだった。


「なのはちゃんとベロチューとか、した?」
「…………んぐッ、!?」


些細な好奇心。その好奇心から発された言葉に、フェイトは咽る。当然といえば当然だ。


「───な、何を言うのっ!いきなり!///」
「いや、まさかそんな過剰な反応されて口から卵焼き逆流されるとは思わへんかったんやもん。」
「まったく………。」
「────で?」


そう言って再び箸を持ち直したフェイトに、「で?」とはやてが再確認。そんなはやてに、フェイト向き直る。


「したん?ベロチュー。」
「……………し、してない…。///」


どうなん?というはやての言葉に、顔を真っ赤にしたフェイトが固まったまま答える。余程恥ずかしかったのか、先ほどまでのお弁当を食べている時の頬の綻びなんてとっくに消えて、箸の先を見つめたまま。


「せぇへんの?」
「はぁ?」
「せやから、もうだって…半年くらいやん?付き合い始めて。あれ?ほんなら普通のチューはしたん?」


無遠慮に根掘り葉掘り聞く親友に、相変わらず頬を染めながら相変わらず箸の先を見つめるフェイト。


「…………し、た。けど。///」


そんなフェイトに、はやては何だかむず痒い気持ちになる。汚れを知らない純真無垢な子供にまるで変な教育をしているような、そんな罪悪感。


「あー…。何か、突っ込んだ事聞いて悪かったなぁ…。」
「うぅん。良いんだけど……やっぱり、変かなぁ?///」
「何が?」
「半年も経つのにそういう…大人のキスしてないのって…。」


「大人のキス」という言葉だけ異様に小さく聞こえたのは気のせいにするとして。はやてはそーやなぁ、と考える。別に恋人同士の進み方なんて人それぞれだ。奥手なフェイトなら尚の事ゆっくりなのだろう。ただ………なのはの方はどうなのだろうか、という考えに至った。


「ちなみにしたいん?フェイトちゃんは。」
「~~~~~~!?///」
「ぅわー、顔。真っ赤。」


はやてのストレートな質問に、さらに頬はおろか、耳まで真っ赤にしたフェイトは声にならない声を発してはやてに振り返る。……が、その仕草で「したいのか」という質問の答えは明確になってしまった。


「なのはには、秘密だからね!///」
「おーおー、言わへん言わへん。じゃあ、最後に質問。」
「……………何?」
「しようとは思わへんの?ベロチュー。」


軽く冗談のつもりで聞いたはやてに、相変わらずフェイトは頬を染める。それから、もじもじと普段の王子様は何処へ行ってしまったのかと問い正したくなるような仕草で小さく呟いた。


「ど、どうやってしたら良いか分からないんだ…。その、私が意気地なしだから…。///」


蚊の泣くような声でぽそぽそと呟くフェイトに、はやては「そか。」とだけ返したのだった。


「まぁ、頑張り。」
「…………はぁ。もう急に変な質問しないでね。」




その後、アリサやすずかが屋上にやってきた時にはフェイトの頬の紅潮は「普段より少し赤い」レベルに戻っていて、深く追求されずに済んだのだった。










その翌日。



「なのはちゃん、フェイトちゃんとベロチューした?」


同じ質問を教室でそっくりそのままなのはにしているはやての姿があった。………が、なのはの反応はフェイトのようにはいかず、しれっと恥ずかしげもなく「まだだよー」とだけ答える。


「………せぇへんの?」
「フェイトちゃんからしてくれるの待ってるんだけど…フェイトちゃん奥手だから。」


にゃはは、と笑うなのはに、ほんの少しこのカップルの主導権の流れを見たはやては。ニッコリ微笑むと、とある提案をした。


「ほんなら、もうすぐフェイトちゃんの誕生日やしプレゼントとしてなのはちゃんからするのはどう?」
「ぇー?でもプレゼントは用意してるし……。」
「プレゼントが一個だけなんて法律はあらへんやろ。」
「それもそうだけど…………。」


どうやらフェイトほどの照れはないらしく、寧ろ待っているなのはに、自らすれば良いとのはやての助言。面白半分、といった提案なのだがなのははノートに文字を写しながら半分流しつつ聞いている。フェイトくらいの面白い反応が欲しいのに、つまらないと言わんばかりにはやては窓から空を眺めた。それから、何か思いついたようにほんの少し口角を上げてなのはに「そういえば」と切り出す。


「あー…そういえば、昨日もフェイトちゃんは人気やったなぁ。」


途端になのはがノートの上を走らせていたペンの動きが止まった。


「どんな風に?」


やはり自分のいない間に恋人にちょっかいを出されるのは面白くないらしい。


「色々手紙とか貰ってたなぁ。……なのはちゃんがおらへんと、こぞってチャンスやと思うんやろね。」
「ふーん。」


言葉では平静を装っているが、なのははそこから何かを考えるかのように、顎にペンを当てたまま空を仰いで、ほんの少し眉を寄せた。外に出さない反面、きっと内心では凄く焦っているに違いない、とはやては確信しつつとどめの一発。


「フェイトちゃんも優しいからなぁ。寄って来る子は邪険に出来へんのやろね。」


なんて。そんな事を言っている合間に、フェイトが教室へと戻ってきた。アリサとすずかの手伝いのようで、両手で大量のプリントを抱えている。


「おー、噂の王子様のご帰還やな……ぉ?」


その拍子に、机の上にペンを放って、なのははガタッと椅子を鳴らして立ち上がった。はやてはと言うと、その様子に驚いて小声を発す。もしかして言い過ぎただろうかと少し冷や汗をかきつつ様子を見守った。




「…………ぁ、なのは。」


そうして真っ直ぐ自分の前に来たなのはに、フェイトはほんの少し表情を和らげる。


のだが。


「フェイトちゃん。」


どうにもなのはの様子がおかしくて足を止める。自分の前に立ち、通行止めするかのように立つなのはにフェイトは抱えているプリントの束を横に置こうとして一瞬なのはから目を離した。

その隙に、なのはの両の手がフェイトの両頬に添えられ、ほんの少し下に引っ張られた。その仕草に、教室内のざわつきが一斉に止む。頭一つ分高いフェイトの身長を自分の高さに引き下げて。そして。


突然の口付け。しかも教室の真ん中で、大衆の前で。


「……………、んッ…?」


──────バサバサ、と途端にフェイトの手からプリントが滑り落ちた。

フェイトの紅い瞳は驚きに見開いて、同時にギュッと閉じられる。頬がみるみる紅潮して、隣では一緒にやって来たアリサがあんぐりと口を開け、すずかが少し驚いた顔をしていた。

時折舌の混じるような音が聞こえて、それ以上は見ないようにと教室中にわざとらしい喧騒が戻ってきた所で、ようやくなのはの唇がフェイトから離された。


「…………にゃはは。//」
「な、なの……っ///」


呆然と、顔を真っ赤にしたフェイトの目の前で、ほんの少し羞恥を感じたのか、なのはが照れたように微笑む。


「えっと、……頂きました。///」


それから「えへへ」とはにかんで呟いたなのはの言葉に益々頬を染めたフェイトは相変わらず立ち尽くしたままで。その正面で、とあることに気付いたなのはが当然フェイトの手を取って急に走り出した。時刻は、授業開始の3分前。


「フェイトちゃん、ダッシュ!」
「ぅえ?///」


そう言われて教室を飛び出したなのはとフェイトの背後から。


「あ、アンタ達!何、教室のど真ん中で破廉恥なことしてんのよ!!!!///」


盛大なアリサのお叱りの言葉が聞こえて、2人は更に走る速度を上げたのだった。












「………授業、サボっちゃったね。」
「う、うん。」


それから授業開始の鐘が鳴って、屋上まで逃げ込んだ2人。肩で息をするなのはに、フェイトはただ頷く。それから、もごもごと何か言いよどむ。


「あーぁ、本当はフェイトちゃんからしてくれるの待ってたのに。」
「ぇえ?……そ、そうなの?///」
「そうなのでした。」
「ぅ、ぁ……ごめん。私、その…イマイチ意気地なしだから…。///」


もじもじと狼狽えるフェイトに、なのははちょっとだけ恥ずかしそうに微笑んで。


「私の王子様はヘタレだったのかなぁ。」


なんて口を尖らせた。そんななのはの「王子」という言葉に頬を染めたフェイトは狼狽しながらも「王子なんて」と否定の言葉を返すのだが。


「だって、私が居ない間にお手紙とか、貰ってたんでしょう?」


それから先ほどまでと一変して唇を尖らせて拗ねた態度のなのはに、フェイトは後ろからそっと腕を伸ばして抱き寄せた。ほんの少し緊張のような震えが伝わって、そんな緊張しているフェイトが愛おしく感じながら、なのはは黙ってフェイトの言葉を待つ。


「で、でもお姫様は1人だけだから!///」


そして返されたフェイトからの「お姫様」という言葉に笑みを漏らして、向き直る。


「じゃあ次は、フェイトちゃんからしてくれる?」


とんとん、と唇に指を当てて。ほんの少し恥ずかしそうに微笑むなのはに頷くと、やや緊張気味のフェイトの唇が少しずつ近づいていく。


が。



「させるかぁ!!!!」

「─────ぅぁっ!」
「ふぇっ?///」


─────ガンッ、と。


触れ合わされる直前にフェイトの後頭部に何かが飛んできて、直撃した。なのはとフェイトの足元には、少し分厚目の辞書。涙目で後頭部を抑えるフェイトの後ろ、なのはの目に映ったのは。


「さぁて、2人とも覚悟は出来てるんでしょうね?」


鬼の形相宜しく眉を吊り上げて微笑む、幼馴染みの姿。


「ぁ、アリサちゃん!?」
「アリサ!?」



それから。



青空の下、教室に居るはやての耳の届くほどの「スパーン」という軽快な音が響いた。


「やっぱ、平和やね。」


そんな音を聞いて。はやては窓から見える青空を仰ぎながら、退屈そうにそう呟いたのだった。











fin.






\(^p^)/



テーマ : 魔法少女リリカルなのはStrikerS
ジャンル : アニメ・コミック

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